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目次
◆棋譜情報・出典
掲載:将棋月報(1941年2月10日発行) P97~98より。
対局日:不明
下手:京須行男 二段
上手:間宮純一 三段
戦型:間宮久夢流(定跡解説記事はこちら。)
◆「久夢流家元の馬作らせ型:対居飛車編1(香落)」ハイライトシーン
本局の見どころを紹介!
【第1図は6手目▲5三角まで】
本局は香落ち上手。久夢流の馬作らせ型だ。
本局は香落で、初手から△3四歩 ▲7六歩 △5四歩 ▲2二角成 △同銀 ▲5三角!(上記 第1図)と進んだ局面。
これは下手だけ馬を作る事が確定し、上手不利というのが定説。
ここから△6二銀 ▲8六角成 △8四歩と進み、相居飛車模様の将棋となるのですが…。
これこそが上手の間宮純一 三段(当時)が得意とする入玉戦法「間宮久夢流」の馬作らせ型となるのです。
以下の指し回しは平手でもそのまま応用が利くので、久夢流に興味がある方は必見。
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【第2図は20手目▲5七銀まで】
無論ここから後手は入玉を狙う。
そこから14手進み、下手の京須行男 二段(当時)は居飛車の布陣に構えました。
下手だけ馬を作る事ができ、一見下手の模様が良さそうなのですが
なんと上手はここから4・3筋へその代償を求めてきます。
一見上手は何の主張もなさそうな局面ですが、
これより驚愕の構想で玉をある場所へ囲ってしまうのでした。
…上手の間宮久夢斎はどこへ玉を囲うのでしょうか?
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【第3図は64手目▲6六歩まで】
ここで唯一入玉を狙う手があり…。
長い長い序盤戦が終わり、
なんと上手は4筋・3筋に位を取って△4三玉型の「久夢流囲い」を完成させました。
こうなると上手の囲いが上部へ厚く、下手は迂闊に右辺から攻める事ができなくなっています。
下手は馬を作る事ができたものの、
その分上手は角打ちの心配をする必要がなくなっため
伸び伸びとした布陣を作る事ができたのです。
さてこの上記 第3図から、上手は攻めてくるのですが…。
普通の感覚なら次の一手は△8二飛~△8五歩で、8筋から攻めていく手が指したくなるでしょう。
しかし何が何でも入玉を狙う事を本懐としている
上手の間宮久夢斎は、ここで誰も指さない「入玉流の一手」を指すのでした…。
気になる次の一手!
本局の全容はこちら!↓
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◆本戦法「間宮久夢流」の定跡解説はこちら
当ブログでは入玉戦法「間宮久夢流」の基本的な定跡解説もしています。
本戦法がどういう構想でどの地点を狙って指しているのか?
下記の定跡解説を読むと、その全てが理解できるでしょう。
◆本戦法「間宮久夢流」の次の一手問題はこちら
「間宮久夢流」の定跡を次の一手問題形式で実際に指して解く事ができる記事はこちら。
◆出題◆
入玉戦法『間宮久夢流』より
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難易度:かんたん
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