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目次
◆棋譜情報・出典
掲載:将棋月報(1941年11月10日発行) P72~73より。
対局日:不明
先手:某 三段
後手:間宮純一 四段
戦型:居飛車舟囲い対雁木中住まい
◆「雁木破りの▲4五歩速攻『久夢流中住まい雁木』」ハイライトシーン
本局の見どころを紹介!
【第1図は26手目△5二玉まで】
先手の▲4五歩速攻に中住まいへ構えた。
本対局は先手が25手目に▲4五歩と早仕掛けを狙った将棋。
後手の間宮純一 四段(当時)は、
なんとここで△5二玉!(上記 第1図)と今ではよく見かける「雁木中住まい」へ構えました。
1941年の将棋なのに、後手の布陣は現代でも十分通用するバランス感覚で
時代の古さをほとんど感じさせません。
しかし先手はこの中住まいに隙ありと見て、これより後手陣へ大技をかけにいきます。
はてさてここからどんな仕掛けを先手は狙っているのでしょうか?
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【第2図は41手目▲2二歩まで】
先手狙いの一着。だがこれが間宮流の罠。
第1図から15手進み、▲2二歩!(上記 第2図)と歩を打ったのが先手狙いの一着。
しかしこの手は後手のある手を見落とした失着で、
ここから後手は「間宮流の三段玉」で先手の攻めを逆用してしまうのです。
まず上記 第2図で△同金に▲3一角が先手の狙いの攻めだったのですが、
なんとそこで△6三玉!と上がって8二の飛車を2二へ通して金を守る妙手があるのです。
この三段玉の受けを見逃していたのか、
ここから先手はかなり無理をして攻めを繋ぐ事になり…。
本局はこのように「中段玉で受ける手」が出るため、
雁木囲いで相手に急戦を狙われた際に陣形をまとめるバランス感覚が
たいへん参考になるでしょう。
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【第3図は51手目▲4一角まで】
次の▲2三角成が確定したが、ここで…?
第2図から10手進み、先手は後手玉を6三へ引きずり出し
▲4一角!(上記 第3図)と王手をかけました。
この手は一見かなり厳しく、
次に▲2三角成 △同金 ▲同飛成の2筋突破が確定したように見えます。
しかしこれも間宮久夢斎にとっては想定内の手で、
以下先手の攻めを全て逆用し、先手の角を召し取りながら入玉を狙ってしまうのでした…。
なおここで後手の一手は無論△5二銀や△5二金のような普通の受けではありません。
優勢な時はその棋士の個性が出ると聞きますが、
この局面で「これぞ久夢流!」と言わしめる一手とは?
気になる次の一手!
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◆出題◆
入玉戦法『間宮久夢流』より
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難易度:かんたん
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