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目次
◆棋譜情報・出典
掲載:将棋月報(1939年2月10日発行) P96~97より。
対局日:不明
下手:細田清英 二段
上手:間宮純一 三段
戦型:石田流三間飛車 対 間宮久夢流(定跡解説記事はこちら。)
◆「定跡外の死闘!持将棋を許さない相入玉戦での勝ち方(香落)」ハイライトシーン
本局の見どころを紹介!
【第1図は44手目▲2三銀まで】
下手は石田流を用い、序盤早くから優勢に。
この将棋は香落ちの下手が石田流で、上手がいつもの「間宮久夢流」を採用した将棋なのだが…。
下手の細田清英 二段の華麗な指し回しで序盤早々に優勢を築いた。(上記 第1図)
上記 第1図から△8二飛以下▲1三歩~▲1二歩成のと金作りが確定し、
上手はここからジワジワと1筋を食い破られ、ジリ貧の将棋になりそうだ。
上手玉は薄く、一方下手は1筋位取り美濃囲いの堅陣。
ここから巻き返しは難しそうだが…。
当然上手の間宮純一 三段(当時)は全く諦めておらず
この不利な将棋を入玉で巻き返しを狙う。
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【第2図は91手目△7五玉まで】
上手大劣勢の中、入玉に成功するが…。
先ほどの第1図から47手進み、
4三にいた王様が相手の攻めの隙間を縫ってヒョロヒョロと
7五へ逃げきったのが上記 第2図。
気がつけば将棋は入玉模様で、もう玉を詰まされる心配はなく
逆転の兆しが見えてきたようだが…?
しかし下手はいまだに金銀桂の大きな駒得をしており、
以下上手が入玉できたとしても、
上記 第2図から下手も入玉して相入玉戦になって
点数計算の勝負となった時に上手の駒損が厳しいため
このまま相入玉になれば上手に勝ち目はありません。
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【第3図は153手目△4三金打まで】
下手の入玉を許さない、上部へ金を置く好手。
第2図から62手進み、ついに上手の間宮久夢斎は9九地点への入玉に成功!
と金・成桂・馬・銀の最強の囲いを敵陣へ作り上げ、
まず詰まされる事のない「最強の久夢流囲い」が完成しました!(上記 第3図)
しかしここからが問題で、
下手の細田清英 二段が2八の王様を上手陣へ入玉させて
相入玉を狙っているのです。
下手に入玉されては、また勝負がわからなくなりそうですが…。
だが入玉のスペシャリストである間宮久夢斎は
この相入玉戦での戦い方を熟知しており、
上記 第3図の△4三金打!から下手の入玉を許さず、
▲2八玉の上部へ自分の駒を設置して
ジワジワと下手玉を寄せる「相入玉模様での勝ち方」を実践するのでした…。
気になる次の一手!
本局の全容はこちら!↓
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◆本戦法「間宮久夢流」の定跡解説はこちら
当ブログでは入玉戦法「間宮久夢流」の基本的な定跡解説もしています。
本戦法がどういう構想でどの地点を狙って指しているのか?
下記の定跡解説を読むと、その全てが理解できるでしょう。
◆本戦法「間宮久夢流」の次の一手問題はこちら
「間宮久夢流」の定跡を次の一手問題形式で実際に指して解く事ができる記事はこちら。
◆出題◆
入玉戦法『間宮久夢流』より
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難易度:かんたん
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