『囲の王』第22話「大橋浪女杯 愛媛予選決勝リーグ一回戦 北星高校VS松山高校『大将戦 打掛ならびVS桂香里』」棋譜中継
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※本記事は『囲の王』第22話の将棋のネタバレなので、気になる方は先に『囲の王』本編を読んで自分の目で確かめましょう。
目次
◆「大橋浪女杯 愛媛予選決勝リーグ一回戦 北星高校VS松山高校『大将戦 打掛ならびVS桂香里』」棋譜中継
それでは大橋浪女杯 愛媛予選決勝リーグ一回戦 松山高校VS北星高校 大将戦 打掛ならびVS桂香里の対局を現時点の最新局面まで並べて行く。
決勝リーグ 松山高校VS北星高校戦。
◆大将戦 両対局者の紹介
まずは両校の大将を紹介をしよう。
◇『愛媛私立 北星高校』先手:打掛ならび(一年生)
注目すべきは先手の『愛媛私立 北星高校』の打掛ならび(一年生 下記画像参照。)
今年の4月に「愛媛県の王者」と称えられる将棋強豪校『愛媛私立 北星高校』へ入学したばかりにも関わらず即レギュラー入りを果たしている。
この事だけ見ても打掛は相当な実力者と伺える。
愛媛私立北星高校 大将 打掛ならび(一年生)
◇『愛媛県立 松山高校』後手:桂香里(一年生)
対する『愛媛県立 松山高校』は去年の『中高将棋大会』個人戦優勝者 王城環(一年生)が入学した事により大きく力をつけ、今回の『大橋浪女杯』愛媛予選 決勝リーグへ駒を進めた期待の新星。
大胆にも全国学生棋界上位と噂される王城環を三将にする采配により、大将戦は同級生の桂香里(一年生 下記画像参照。)へ任せる事になった。
愛媛県立松山高校 大将 桂香里(一年生)
◇三将戦が愛媛県二大最強棋士と噂される雪片真VS王城環の対局に!?
本来この大将戦は、愛媛学生棋界最強と名高い『愛媛私立 北星高校』の部長 雪片真(三年生 下記画像参照。)が務めるものと思われていたが、北星側も意外な采配を見せ「三将 雪片真作戦」で対抗。
なんと北星高校VS松山高校の三将戦が、愛媛学生棋界 二大最強棋士と噂される 雪片真VS王城環の対局となった。(下記画像参照。)
三将戦が雪片真VS王城環に。
愛媛県最強棋士決定戦になるか?
互いの最強棋士同士を三将戦でぶつけ合う作戦により、両校の大将が入れ替わり打掛と桂が大将戦で戦うという予想外のカードに。
突如大将に選ばれた打掛と桂の二人がどのような将棋を指すのか?
さっそく大橋浪女杯 愛媛予選決勝リーグ一回戦 大将戦の将棋を見ていこう。
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◆大将戦 棋譜中継 打掛ならびVS桂香里 対局開始「エルモ囲いVS四間飛車」
大将戦 打掛ならびVS桂香里戦
対局が開始した。
先手は愛媛私立北星高校大将の打掛ならび、後手は愛媛県立松山高校の桂香里となった。
序盤戦の駒組みは互いに打ち合わせたかのように早く進み、一気に下記 第1図の局面まで進行。
【第1図は▲3五歩まで】
先手の打掛が先に▲3五歩から動く将棋に。
まずは先手の打掛がエルモ囲い(elmo囲い)*+▲4六銀右戦法*の形から▲3五歩と仕掛けた第1図。(作中の視点と合わせるため先後逆表記。)
ここから本対局は激しい動きを見せる。
上記 第1図の▲3五歩*に△同歩*と取るのは駄目で、以下▲同銀* △4五歩 ▲3三角成 △同桂 ▲3四歩*が一例で、薄い2・3筋を破って先手優勢に。
よって先手の打掛の第1図 ▲3五歩*に後手の桂は△同歩と取る事ができず、別の手段を考えなければいけない。
しかし後手は△5四銀と守りの銀を前に出してしまっているため、3四地点を守る駒がない。
果たして返し技は用意されているのだろうか?
早々の仕掛けだが、後手の桂は落ち着いている。
【再掲載 第1図は▲3五歩まで】
松山の大将 桂の実力が問われる局面。
△4五歩 ▲3三角成 △同桂 ▲5七銀引
△3五歩(第2図)≫
【第2図は△3五歩まで】
△4五歩から打掛の銀を押し返し反撃成功か。
後手の桂は第1図から△4五歩と4筋を伸ばし、先手の▲4六銀を5七へ追い返して△3五歩(上記 第2図)と3筋の歩を取り返した。
後手は四間飛車の形を生かし、4筋から飛車を使ってカウンターを狙って行く方針のようだ。
先手の打掛はせっかく突いた▲3五歩をタダで取られた結果になったが、ここから攻めの継続手はあるのだろうか?
以下の展開は本譜を追っていこう。
後手の桂はいたって冷静。
こういった受け将棋に慣れているようだ。
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【再掲載 第2図は△3五歩まで】
ここから打掛側に攻めはあるのか?
▲2四歩* △6四角!(第3図)≫
【第3図は△6四角まで】
後手の桂にさらなるカウンター!
先手の打掛は2筋突破を狙い第2図で▲2四歩と突いたが、後手の桂はそれを許さない△6四角!(上記 第3図)
ほぼノータイムでこの角を盤上に置いた。
この第3図 △6四角*に▲1八飛*なら△2四歩*と歩を取って後手有利。
この第3図の△6四角は居飛車対振り飛車 急戦定跡の中でも効果的な受けの手筋なので、振り飛車党なら是非とも覚えて頂きたい手だ。
後手の桂はこの△6四角打ちを消さぬよう、序盤の段階で△6四歩と突かないよう工夫している。(△6四角と打つスペースを消さないため。)
かなり振り飛車を指し慣れているのが伝わってくる。
▲2四歩にノータイムで△6四角。
どうやら読み通りの手順のようだ。
それでは再掲載 第3図から実戦の進行を見ていこう。
先手 北星高校の打掛は「中学時代まで対振り飛車の勝率100%」と驚異的な成績を残している。
このような展開は何局も指しているはずなので、用意の返し技があるはずだが・・・。
【再掲載 第3図は△6四角まで】
この角打ちに先手の打掛は?
▲2六飛 △1九角成 ▲2三歩成(第4図)≫
【第4図は▲2三歩成まで】
これが打掛の狙っていた反撃だった!
先手の打掛は▲2六飛~▲2三歩成(上記 第4図)と強く返した。
どうやらここまでは先後互いに想定内の手順のようだ。
先手は2三にと金、後手は1九に馬を作り、一歩も引かない中盤戦に入った。
再び後手の松山高校の桂が受ける番だが、第4図*では▲2三との存在が大きく、次の▲3三との桂取りが厳しそうだ。
どう受けを組み立てるのだろうか?
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それでは再掲載 第4図から局面を進めよう。
【再掲載 第4図は▲2三歩成まで】
今度は後手の桂が受ける番だが。
△2五歩 ▲3三と △2六歩 ▲4二と
△同金 ▲2二飛 △5二金寄(第5図)≫
【第5図は△5二金寄まで】
互いに桂香交換で落ち着いた。
後手の桂は第4図で△2五歩と打って先手の飛車を止めた。
以下打掛も強く▲3三と~▲4二とで決戦の順に踏み込む!
そこから△同金 ▲2二飛と先手が飛車を先着し、後手の桂は△5二金寄(上記 第5図)と逃げた。
第5図*での駒割りは桂香交換で、互いに駒の損得はない。
攻めの手番は先手の打掛が握っているが、果たして有効な攻め筋はあるのだろうか?
第5図を再掲載して局面を進める。
【再掲載 第5図は△5二金寄まで】
手番は先手。桂の美濃にどう迫るか?
▲4四桂 △6二金寄 ▲1六角(第6図)≫
【第6図は▲1六角まで】
次の▲5二桂成が厳しい。桂はどう応じる?
先手の打掛は持ち駒の桂を▲4四桂と打ち、△6二金寄に▲1六角(第6図)と攻防の角を放った。
何気ないが先手陣の浮き駒であった▲4九金に紐をつけているのが大きく、これで離れ駒がなくなった。
さらに先手は第6図*から次に▲5二桂成* △同金寄 ▲同角成 △同金 ▲同飛成*までの単純な数の攻めが厳しい。
この将棋の優劣は、第6図時点ではまだハッキリしていないが、完全に先手の攻めVS後手の受けの構図となっている。
先手 北星高校の打掛が攻めを通し切るか? それとも後手 松山高校の桂が受け切るのか?
自分の主張を通し切れるかが勝負を決するだろう。
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第6図を再掲載し、実戦の進行を見てみよう。
【再掲載 第6図は▲1六角まで】
後手の桂は駒台の香車を手にした。
△5一香(第7図)≫
【第7図は△5一香まで】
自陣に香車を投入。徹底して受ける気だ。
これで先手の狙い筋だった▲5二桂成からの攻め筋を消した。
愛媛県の代表を決める大将戦に相応しい高レベルの将棋だ。
【再掲載 第7図は△5一香まで】
先手に金銀香の四枚美濃を崩す好手が出る。
▲3三歩! △2九馬 ▲3二歩成 △4七馬
▲4二と(第8図)≫
【第8図は▲4二とまで】
鮮やかなと金攻め。先手の打掛ペースか。
先手の打掛は慌てた様子もなく、なんと▲3三歩!と歩を垂らし、▲3二歩成~▲4二と(第8図)と迫った。
この打掛が放った垂れ歩からのと金寄りが攻め駒を一枚増やした好手で、ここから後手の桂の堅陣をどんどんと崩していく。
打掛は自信ある手つきで▲3三歩を着手。
と金攻めで後手の桂の堅陣を崩していく。
厳しい先手の攻めをモロに食らった。
後手の桂に焦りの色が見え始める。
ここから一気に局面が進み、大将戦は下記の第9図まで進行した。
先手の打掛の角が▲2七角(第9図)と自陣へ追われている。
どうやら後手の桂は、先程の第8図*で常に5二・6一地点に利いていた攻めの要の△1六角を働かせないようにする方針のようだ。
【第9図は▲2七角まで】
打掛の角を攻めに使わせない方針のようだ。
△3七馬 ▲1六角 △2六馬 ▲5二金(現局面図)≫
【現局面図は▲5二金まで】
ここまでが現在までの進行。後手の桂劣勢か。
第9図から後手の桂は△3七馬~△2六馬と先手の角を追い、先手の▲1六角の働きを2五の歩で止める事に成功した。
しかし先手の桂は、そこで▲5二金(現局面図)と金をベッタリ打ち込む手が単純ながら猛烈に厳しい攻めとなる。
上記 現局面図*で△同金*は▲同桂成*~▲6二成桂*と確実に駒を寄せる手があり、後手玉が詰まされるのは時間の問題。
一方上記 現局面図*では先手の打掛のエルモ囲いに全く手がついておらず、さらに▲1六角が▲4九金に紐をつけて後手の△1九飛の利きを止めているのが大きい。 玉の堅さでも先手の打掛が大きくリードしている。
現局面図*まで進んでみると、
先手 打掛の攻め駒は▲2一龍・▲4四桂・▲5二金・持ち駒の香の四枚。
対する後手 桂の守り駒は△6一金・△7二銀・持ち駒の桂の三枚。
攻め駒の数が一枚多い先手の打掛の攻めが切れず、現局面は先手勝勢だ。
先手の打掛が▲5二金まで進め優位に立つ。
愛媛の王者 私立北星高校大将の面目を果たした。
以上が大橋浪女杯 愛媛予選決勝リーグ一回戦 松山高校VS北星高校 大将戦 打掛ならびVS桂香里戦の現局面までの進行だ。
愛媛県代表を決める大将戦に相応しく、とてもレベルの高い将棋で見ごたえがある。
愛媛県王者の私立北星高校 打掛ならびが激しさと冷静さを併せ持つ緩急自在の攻めで優位をもぎ取ったが、県立松山高校の大将 桂香里にこの再掲載 現局面図から巻き返す術があるのだろうか?
【再掲載 現局面図は▲5二金まで】
後手に巻き返しの手はあるのか?
▲5二金が着手された直後の
県立松山高校 大将 桂香里の様子。
◆【<<『囲の王』を漫画アプリ『マンガボックス』で読む>>】
この大橋浪女杯 愛媛予選決勝リーグ一回戦 北星高校VS松山高校 大将戦 打掛ならびVS桂香里戦の様子は漫画アプリ 『マンガボックス』の『囲の王』第22話(2020年9月25日更新。)で読む事ができます。
いちはやく対局が見たい方は、毎週金曜日に更新される『囲の王』をチェックだ!
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(2020年9月25日 最新話更新!)
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◆『囲の王』第22話 紹介記事へ戻る
◎『囲の王』第22話 紹介記事⇒ 『囲の王』第22話!大橋浪女杯 決勝リーグ一回戦 VS愛媛の王者 北星高校の展開&棋譜中継
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