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目次
◆棋譜情報・出典
掲載:将棋月報(1942年12月10日発行) P80より。
対局日:不明
先手:京須行男 三段
後手:間宮純一 四段
戦型:居飛車矢倉早囲い対雁木囲い
◆「久夢流雁木破り対策!『引き角急戦には入玉!』」ハイライトシーン
本局の見どころを紹介!
【第1図は29手目▲2四歩まで】
雁木破りの▲2四歩!これをどう受ける?
今回の戦型は先手居飛車引き角対後手雁木囲い。
先手の京須行男 三段(当時)は、▲7九角の引き角から▲3五歩~▲2四歩!(上記 第1図)と急戦を仕掛けました。
この急戦は対雁木には非常に有効で、
先手はここから2筋突破が狙いながら角交換を狙い
後手陣をバラバラにしてまとめづらくするのですが…。
このような「まとめづらい将棋」こそ、
後手の間宮純一 四段(当時)が得意とする将棋なのは
これまで棋譜を見てきた方ならなんとなく理解している事でしょう。
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【第2図は38手目△2五銀まで】
後手の久夢斎はここから入玉を狙う。
第1図から9手進み、先手の▲2六飛に△2五銀!(上記 第2図)と銀を引いた局面。
駒割りは互いに損得なしで、両者二歩と角を手持ちにしました。
しかし形勢はまだ難しく、どちらが良いとはまだ断言できません。
なお先手はここから▲2八飛と引く一手。
しかしそこで後手がうっかり△2六歩と打つと
以下▲3七桂 △3四銀 ▲2六飛と2筋から飛車を捌く反撃があります。
よって後手も迂闊な手を指すと一気に形勢を悪くしてしまう難解な局面となっており…。
後手がこの局面をまとめるには、ある構想が必要となります。
それが「入玉」も含みに入れた指し回しなのですが…。
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【第3図は65手目▲4三銀成まで】
しかし入玉は難しそうに見える…が?
第2図から戦いが進み、先手▲4三銀成!(上記 第3図)と後手玉の上部へ銀を成った局面。
こうなると次に▲5三金と打って後手玉の上部を押さえる手が厳しく、
以下先手は駒を足して攻めていけば勝ちになりそうです。
少なくともここから後手が驚異的な粘りで受けきったとしても、
5一の王様を敵陣へ送り込む事など絶対に不可能な局面に思えます。
そして普通の感覚なら後手は
ここで△8六歩 ▲同歩 △9五桂から△8七角~△2九飛のような筋で
後手の△4四銀が守りに利いているうちに先手玉を迫って勝負に持ち込むのでしょうが…。
なんとここで後手の間宮久夢斎は断固として入玉を視野に入れた一手を放つのでした。
気になる次の一手!
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本戦法がどういう構想でどの地点を狙って指しているのか?
下記の定跡解説を読むと、その全てが理解できるでしょう。
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◆出題◆
入玉戦法『間宮久夢流』より
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難易度:かんたん
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