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目次
◆棋譜情報・出典
掲載:将棋月報(1940年1月10日発行) P84より。
対局日:不明
下手:土山惠三 二段
上手:間宮純一 三段
戦型:5筋位取り中飛車(ゴキゲン中飛車)
◆「予想外の囲いの発展『久夢流ゴキゲン中飛車△6三玉型』(香落)」ハイライトシーン
本局の見どころを紹介!
【第1図は27手目△5四銀まで】
香落上手で有力な中飛車を採用。だがしかし…!?
本局は間宮純一 三段(当時)が香落ち上手で、
初手△5四歩 ▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5五歩 ▲2五歩 △3三角 ▲4八銀 △5二飛から
5筋位取り中飛車(今で言うゴキゲン中飛車)を採用し
そこから△5四飛~△3四飛と石田流へ組みかえた将棋。
上記 第1図の上手の布陣は現代の平手将棋でも見かける形で、
ここから上手は△8二玉~△7二銀~△5二金左と組むのが一般的。
次に上手の間宮久夢斎が△5二金右!と指すなど誰も予測できないだろう。
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【第2図は47手目△7三桂まで】
上手は間宮以外予想できぬ囲いへ発展させた。
もし先ほどの第1図の時点で、この上記 第2図の形を予測できた方がいたら
その人は正しい駒組みの形を知らない素人か、
あるいは本気で入玉を考え極めようとした間宮久夢斎のみであろう。
ここから上手の手だけ示すと、
以下△3二金~△4三金左~△8四歩~△4二角~△6五歩 ▲同歩 △同銀 ▲6六歩 △5四銀~△6四銀として
間宮久夢流の布陣へ組むのが狙いだろう。
普通のゴキゲン中飛車模様の出だしと思われた序盤から
このような奇怪な囲いが現れるとは…。
これぞ久夢流ワールドである。
上記 第2図でゆっくりしていては
上手に「間宮久夢流」の布陣へ組まれてしまうと感じた土山惠三 二段は
ここから巧みな歩の手筋を連発して仕掛け、下手優位に持ち込むのだが…。
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【第3図は101手目△8一飛まで】
長き戦いの末「間宮久夢流」完成。
長い押し引きの末、101手まで進んだ局面が上記 第3図。
途中までは下手の土山二段の激しい攻めが炸裂し、
上手の飛車を下段へ追い込み下手ペースかと思われたが…。
上記 第3図の△8一飛まで進んでみると、
次に△7六歩 ▲同銀 △7五歩として
上手△6三玉の上部を広げて入玉を狙う
まいどお馴染み「間宮久夢流」の布陣が完成しているのであった。
中段玉を扱う独特の指し回しで難しい形勢となった本局だが
ここから上手の間宮久夢斎は、どう陣地を広げて入玉ルートを作るのか?
対する下手の土山二段はどのように入玉を防ぐのか…?
気になる次の一手!
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◆「間宮久夢流」の定跡解説はこちら
当ブログでは入玉戦法「間宮久夢流」の基本的な定跡解説もしています。
本戦法がどういう構想でどの地点を狙って指しているのか?
下記の定跡解説を読むと、その全てが理解できるでしょう。
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「間宮久夢流」の定跡を次の一手問題形式で実際に指して解く事ができる記事はこちら。
◆出題◆
入玉戦法『間宮久夢流』より
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難易度:かんたん
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