【レア棋譜探訪伝】「相掛かり戦でもやっぱり入玉狙い!『久夢流 劣勢を巻き返す三段玉』」


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◆棋譜情報・出典

掲載:将棋月報(1943年2月10日発行) P53より。
対局日:不明
先手:石黒寅二 四段
後手:間宮純一 四段
戦型:5筋突き合い型「旧相掛かり」

 


◆「相掛かり戦でもやっぱり入玉狙い!『久夢流 劣勢を巻き返す三段玉』」ハイライトシーン

本局の見どころを紹介!

【第1図は21手目▲5六歩まで】
昭和前半に指されていた5筋を突きあう形。

ここまでの間宮久夢流の将棋を見て、
もう読者の方は「彼はほとんどの戦型で入玉を狙っている」とご理解いただけただろう。

雁木囲い対ノーマル四間飛車対矢倉戦角換わり…。
あらゆる戦法で本気で入玉を狙う
その間宮流の熱意とこだわり

もちろん相掛かり戦でも例外ではない。

今回は初手▲2六歩 △8四歩の出だしから始まる相掛かり戦の将棋である。(上記 第1図)
上記 第1図は昭和前半によく指されていた、
互いに▲5六歩・△5四歩と5筋を突きあう「旧相掛かり」と呼ばれる戦型である。

基本的にはここから▲5七銀・△5三銀と中央へ銀を活用して
ゆっくりとした将棋となる事が多い。

 


 


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【第2図は47手目▲3五角成まで】
故意かミスか?後手は馬を作られたが…?

上記 第2図はそこから戦いが始まり、
先手の石黒寅二 四段(当時)が▲3五角成!(上記 第2図)
先に馬を作った局面。

この馬を作らせる展開は
後手の間宮純一 四段(当時)が故意に誘ったのか、ミスなのかはわからないが
ここから先手が攻めて主導権を握る将棋となり、
以下後手不利の展開となってしまう。

…のだが、本局はここから悪くなったと思われる局面で
後手の間宮流の局面を複雑化させる
三段玉を使った謎の粘り強い指し回しは
きっと参考になるだろう。

 


 


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【第3図は82手目▲5五桂まで】
三段玉へ王手をかけた必殺手。…だがっ!?

戦いは終盤戦となり、
相掛かり戦でも見慣れた△6三玉の中段玉の形で、
先手の鋭い攻めをいなして耐えていたのだが…。

桂馬を入手した先手が▲5五桂!(上記 第3図)と桂馬で王手をかけた局面。

上記 第3図の桂打ちの狙いは、後手の△7五飛の横利きを止める事。
例えば 上記 第3図△同歩なら▲4五銀 △同金 ▲同馬で後手の要の金を二枚入手して、
以下△5四銀 ▲6二金 △同玉▲5四馬が一例で、
先手は薄い後手玉へ馬と金二枚で迫る事ができる
先手勝勢となる。

他に上記 第3図△同銀も7五飛の横利きが止まるので、
以下▲4五銀 △同金 ▲同馬で二枚の金を入手して攻めが続く先手優勢だ。

この上記 第3図は3六の馬が6三の玉を遠く睨んでおり、
どう受けても後手悪くなりそう…だが?

 

気になる次の一手!
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◆「間宮久夢流」の定跡解説はこちら

当ブログでは入玉戦法「間宮久夢流」の基本的な定跡解説もしています。
本戦法がどういう構想でどの地点を狙って指しているのか?
下記の定跡解説を読むと、その全てが理解できるでしょう。

「間宮久夢流」の定跡解説記事を読む。

 


◆「間宮久夢流」の次の一手問題はこちら

「間宮久夢流」の定跡を次の一手問題形式で実際に指して解く事ができる記事はこちら。


◆出題◆
入玉戦法『間宮久夢流』より
(クリックで間宮久夢流の記事一覧へ移動。)

【第1問は22手目△4二玉まで】
1:▲3七桂 2:▲4五歩

難易度:かんたん

◆この問題へチャレンジする◆


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