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目次
◆棋譜情報・出典
掲載:将棋月報(1939年1月10日発行) P47より。
対局日:不明
下手:山本武雄 二段
上手:間宮純一 三段
戦型:間宮久夢流(定跡解説記事はこちら。)
◆「久夢流家元の馬作らせ型:対居飛車編3(香落)」ハイライトシーン
本局の見どころを紹介!
【第1図は8手目▲7五角成まで】
馬作らせ型。なんとここで△8四角と打たない。
本局も前回と前々回に紹介した「馬作らせ型」居飛車型の実戦。
(「馬作らせ型」振り飛車編はこちら。)
今回は香落での対局。
プロ棋士養成機関「奨励会」では
三段位が左の香を落として下の段位者と指す決まりがあるため、
左香落はプロ棋士にとって避けられぬ重大な手合いなのです。
四段になかなか上がる事ができず、
三段位で苦労し続けた上手の間宮純一 三段(当時)にとって
この香落ちという手合いを勝つことは命題なのですが…。
そこで使うのもやはり入玉戦法「間宮久夢流」。
さて上記 第1図は初手から△5四歩 ▲7六歩 △3四歩 ▲2二角成 △同銀 ▲5三角 △6二銀 ▲7五角成(上記 第1図)と進んだ局面。
この上記 第1図で△8四角と打って馬を消すのが定跡ですが、
なんと間宮久夢斎にとってその手は「下手の馬を消して入玉を狙いづらくなる一手」なのか
ここで△8四角と打たずに駒組みを進めます。
8手目にして既に類を見ない久夢流独自の展開を迎えました。
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【第2図は18手目▲4六歩まで】
4筋位取りを拒否する展開だが…。
第1図から18手進み、上手の間宮三段は△5五歩~△5四銀と構えて△4四歩から4筋の位取りを狙います。
対する下手の山本武雄 二段(当時)は▲4六歩(上記 第2図)で位取りを拒否。
この位取り拒否は当時他の棋士も指しており、どうやら久夢流の馬作らせ型ではよくある展開のようです。
当然上手の間宮三段は…この拒否を許すわけもなくこの4筋を争点にしつつ入玉を狙います。
本局は金銀を流れるように五段目に押し上げる展開になり、
位を取った後の指し回しは大変参考になるでしょう。
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【第3図は55手目△6三玉まで】
完成!超マイナー囲い。久夢流の布陣。
第2図から37手進んだのが上記 第3図の局面。
上手は△6三玉!(上記 第3図)と上がり、お馴染みの超マイナー囲い「間宮久夢流」を完成させました。
もうこうなれば久夢流の理想形中の理想形で、以下は下手陣へ王様をねじ込むだけの作業となります。
これより上手は下手陣へ玉を押し込んで入玉を狙うのですが、
果たしてどの筋から手をつけていくのでしょうか?
玉も攻め駒として使う「間宮久夢流」の終盤の仰天の決め方をご堪能ください。
気になる次の一手!
本局の全容はこちら!↓
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◆本戦法「間宮久夢流」の定跡解説はこちら
当ブログでは入玉戦法「間宮久夢流」の基本的な定跡解説もしています。
本戦法がどういう構想でどの地点を狙って指しているのか?
下記の定跡解説を読むと、その全てが理解できるでしょう。
◆本戦法「間宮久夢流」の次の一手問題はこちら
「間宮久夢流」の定跡を次の一手問題形式で実際に指して解く事ができる記事はこちら。
◆出題◆
入玉戦法『間宮久夢流』より
(クリックで間宮久夢流の記事一覧へ移動。)
難易度:かんたん
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