【第1回 誰も知らないマイナー戦法】平成3年に現れた伝説の囲い ▲7八金型「天守閣囲い」Part9 『天守閣囲いの弱点』

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目次

◆伝説の「▲7八金型天守閣囲い」Part9 『天守閣囲いの弱点』

前回のPart8(クリックで前回の記事へ移動。)では『左美濃伝説』(クリックで左美濃伝説の購入ページへ移動。)で紹介された「▲7八金型天守閣囲い」の4つの長所を紹介しました。


関連記事

◎前回の記事 ⇒ 【第1回 誰も知らないマイナー戦法】平成3年に現れた伝説の囲い ▲7八金型「天守閣囲い」Part8 『▲7八銀型天守閣美濃との違い』


◎天守閣囲いの記事一覧
●第1回 「▲7八金型天守閣囲い」紹介記事一覧 ⇒ 第1回 伝説の囲い「▲7八金型天守閣囲い」 一覧


◎『誰も知らないマイナー戦法』一覧【第1回~第2回】
●誰も知らないマイナー戦法一覧 ⇒「誰も知らないマイナー戦法」戦法集


 

ついにこのマイナー囲いの紹介も第9回!

 

この2022年のネット将棋界でも未だ使い手がほとんど現れない幻の囲いですが、
このまま埋もれてしまうのでしょうか?

 

今回は伝説の囲いの弱点を紹介します

 

前回のPart8(クリックで前回の記事へ移動。)では
「▲7八金型天守閣囲い」の長所
紹介しましたが
どんな囲いにも弱点はつきもの。

 

このPart9では
「▲7八金型天守閣囲いの3つの弱点
詳しく解説します。

長所と短所の両方を知る事で
実戦でこの戦法を採用する際に
読みを組み立てやすくなります。

さらにこの戦法に遭遇した場合にも
その弱点を突けばあっさりと
対策できるようになります。

 


 

伝説の囲いの

3つの弱点とは一体!?

【▲7八金型天守閣囲い】
この記事を読めば全てがわかる!

 

 


 

 


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◆伝説の囲い「▲7八金型天守閣囲い」の弱点は? 『その1:持久戦になるとスムーズに固め辛い』

この囲いの1つ目の大きな弱点「持久戦になった際にスムーズに堅い囲いにできない事」です。
Part4Part5Part6Part7(クリックで解説記事へ移動。)であらゆる囲いへの発展法を解説しましたが、
全てに共通しているのが「自分の▲8八角を動かさないと深く固める事ができない」事です。

 


◇「▲7八金型天守閣囲い」で▲8七銀と上がるまで何手?「4手もかかってしまう」

一例として、Part7で紹介した「米長玉二枚銀冠」(クリックで解説記事へ移動。)への組み方を下記に動く画像で貼っておきます。

「先手が▲8七銀と上がるまでにどれだけの手数がかかるのか?」そこを頭に入れて下記の図を見て下さい。

【米長玉二枚銀冠発展図】
▲8七銀と上がるまでに4手かかっている。

(*の付いた青色の文字*を押すと解説が表示されます。)

先手玉の上部を守るための▲8七銀を上がるまで4手かかりました。
(「▲7八金型天守閣囲い」*から▲7七角*▲8八銀*▲9八玉*▲8七銀*4手。これで囲いの完成。)

自分の▲8八角がいるため、先手は▲8八銀~▲8七銀と上がるために1手余計にかかってしまうのです。
なので相手が先手玉の上部を狙っている事がわかっても、先手が上部へしっかり備える事ができるのは4手後になってしまうのです。

実戦でこの4手のタイムロスは大きく、相手の駒組みによっては上部から攻められてしまう可能性があります。

 

もしこれが「▲7八銀型天守閣美濃」ならどうなるのでしょうか?

 


 

 


◇「▲7八銀型天守閣美濃」で▲8七銀と上がるまで何手?「たったの2手!」

一方通常の「▲7八銀型天守閣美濃」なら、同じ「米長玉二枚銀冠」に組む場合▲8八角を動かす必要なくスムーズに組め、8六地点を守る駒をたったの2手で▲8七銀へ入れ替える事ができます。(下記の図を参照。)

【米長玉二枚銀冠発展図2】
2手で▲8七銀とできる。これが美濃の強み。

なんと先手は▲8七銀と上がるのに2手で済みました。
(「▲7八銀型天守閣美濃」*から▲9八玉*▲8七銀*2手。以下▲7八金で囲いの完成。)

この上部への対応力の早さが「▲7八銀型天守閣美濃」の強みで、相手の玉頭攻めを察知した瞬間に玉を後ろに引いて銀冠へ組み替える事ができます。

この組み方の大きな違いは「▲8八角を動かさなくて良い事」「8六地点を守る駒を玉から銀へスムーズに入れ替えられる事」です。
相手が早い段階で玉頭攻めを狙っていると察知したら、▲7八銀型天守閣美濃なら玉頭に隙を作らずに2手で8七地点を守る駒を銀に入れ替える事ができます。
(▲7八銀▲8七銀と上がるだけで良いため。)

結果としては同じ囲いに組めるのですが、その過程で手数が余分にかかってしまう事は「▲7八金型天守閣囲い」の弱点の1つなので覚えておきましょう。
こちらが囲いの発展に手数がかかるという事は、振り飛車側に上部への攻撃力がある「銀冠囲い」*へ組ませてしまう余地を与えてしまうという事なのですから。

★伝説の「▲7八金型天守閣囲い」の短所 その1

・囲うために▲8八角を動かす必要があるため「▲7八銀型天守閣美濃」より発展手数が1手余分にかかる。

8七地点へ銀を持っていくために4手も手数がかかり、さらに上部への隙も多く生じる。


 

 

 

 


 

 

 

 


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◆伝説の囲い「▲7八金型天守閣囲い」の弱点は? 「その2:力を溜めた玉頭攻めに弱い」

次は2つ目の弱点の紹介です。
前回のPart8(クリックでPart8の記事へ移動。)では「△8四歩の単発玉頭攻めには強い」ことを解説しました。
だからと言って、この「▲7八金型天守閣囲い」が上部の玉頭攻めに強いというわけではありません。

力を溜めた玉頭攻めには「▲7八銀型天守閣美濃」と同様に弱いのです。

 


◇「▲7八金型天守閣囲い」は力を貯めた玉頭攻めに弱い!「下段に逃げ道がない!」

ではさっそく具体例を紹介していきましょう。

下の参考1図をご覧ください。

【参考1図】
角・桂・香が先手の玉頭へ利いている。

上の図は後手が△6四角・△7三桂と力を溜めた形。

Part8(クリックでPart8の記事へ移動。)の記事では△8五歩~△8六歩~△8八角の攻めに強いと紹介しましたが、
流石に上図の局面のように角・桂・香で囲いの頭を狙われるとひとたまりもありません。

実際に上の参考1図から、先手の天守閣囲いを攻めてみましょう。

 


盤面を進めやすいように下に参考1図再掲載します。

【再掲載 参考1図】
ここから伝説の囲いがあっさり崩される。

 

・再掲載 参考1図からの指し手

△8五歩 ▲同歩 △8六歩! ▲9八玉

△8五桂 ▲8八銀 △9五歩 ▲同歩

△9六歩!(参考2図)≫
≫の付いた青文字↑を押すと動く盤面で再生

【参考2図は△9六歩まで】
次の△9五香で先手玉は潰れている。

後手は△8五歩~△8六歩!と角を使った玉頭攻めで先手玉に王手をかけていきます。
(ちなみに後手が△8六歩*と王手をかけてきた時に、先手が▲8八玉*と逃げる手は△8五桂*と跳ばれ、次の△5五角*が厳しくこれも先手潰れ。ここで▲7九玉と逃げる手がないのが辛い。)
よって△8六歩!に先手は▲9八玉と逃げる手が最善ですが、以下△8五桂 ▲8八銀△9五歩~△9六歩!(下記 再掲載 参考2図)と進みました。

【再掲載 参考2図は△9六歩まで】
玉頭に歩を二枚垂らされた形。

この上記再掲載 参考2図は、見るからに先手玉が危険な状態です。

実際ここから、後手は先手玉を簡単に崩す事ができます。

具体的な手順を見ていきましょう。
(上記 再掲載 参考2図*から後手は△9五香*△7五歩*△7六歩*と9筋と7筋を押さえ、以下△9七歩成* ▲同桂 △同香成* ▲同銀 △7七歩成*《下記 結果A図》となって先手玉は寄り。)

【結果A図は△7七歩成まで】
上図から▲同金は△同桂成~△8七金で寄り。

上記 結果A図*以下は▲8八歩*と受けても△8七歩成* ▲同金 △9七角成 ▲同金 △8六桂* ▲同金 △9七銀 ▲8九玉 △8八と*までの詰み。

手順は長い攻めなのですが、先手玉の上部に△9六歩・△8六歩と二枚の歩があるので、駒を打って受けようにも打つ場所が全くありません。

よって後手のこの△7五歩~△7六歩の玉頭攻めを指をくわえて見ているしかないのです。

これが「▲7八金型天守閣囲い」の弱点を浮き彫りにされてしまう手順なのでした。

 


 

 

 

 

 


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◇「▲7八銀型天守閣美濃」だと?「7九に逃げ道があり粘れる」

この玉頭攻めへの弱さは「▲7八銀型天守閣美濃」でも同じ事が言えるのですが、
「▲7八銀型天守閣美濃」だと玉を崩された時に▲8八玉~▲7九玉(下記 天守閣美濃仮想図)と、空いている7九地点へ逃げる手があるのでもうしばらく粘る事ができます。

【天守閣美濃仮想図は▲7九玉まで】
美濃でもピンチなのだが、これで少し粘れる。

この7九地点へ逃げる場所があるというのは大きく、この7九の逃げ道を使う事で相手に詰まされる前に寄せ切り勝ちができる可能性が生じます。

一方「▲7八金型天守閣囲い」では、この逃げ道がないために逃げて手を稼ぐ事ができず、詰まされるのは時間の問題となります。

★伝説の「▲7八金型天守閣囲い」の短所 その2

7九地点にスペースがないため、力を貯めた玉頭攻めを食らうと自玉を逃がす事ができない。


 

 


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◆伝説の囲い「▲7八金型天守閣囲い」の弱点は? 「その3:△6九角・△2七角と打たれる」

最後に残る3つ目の弱点△6九角・△2七角と打たれる隙がある」という事です。

これも「▲7八金型天守閣囲い」でよく遭遇する弱点の一つで、囲いに▲7八金と左金を上がった事で相手の角の打ち込みに弱くなっているのです。

さっそく具体例を見ていきましょう。

 


下記実戦1図をご覧ください。

【実戦1図は46手目△4五歩まで】
相手が角交換を挑んできた局面。

実戦での局面で、後手はノーマル中飛車に組み替えて△4五歩!(上記 実戦1図)と角交換を挑んできた局面。

この△4五歩!の角交換は「▲7八銀型天守閣美濃」なら何とかなるのですが、上図「▲7八金型天守閣囲い」では2つの隙があり先手不利となるのです。

 


◇「▲7八金型天守閣囲い」に角交換は? その1:「△6九角が痛打!」

まず1つ目の隙から見ていきましょう。

局面を進めやすいよう、下記実戦1図再掲載します。

【再掲載 実戦1図は46手目△4五歩まで】
この囲いの1つ目の角打ちの隙とは?

 

・再掲載 実戦1図からの指し手

▲同歩 △8八角成 ▲同銀 △6九角!

(結果B図)≫
≫の付いた↑青文字を押すと動く盤面で再生

【結果B図は50手目△6九角まで】
この△6九角の隙が常にある。先手不利。

そう、この角交換から△6九角!(上記 結果B図)「▲7八金型天守閣囲い」でのみ生じる角打ちなのです。
当然ですが「▲7八銀型天守閣美濃」*では、この6九の地点には金がいるので相手は角を打つ事は物理的に不可能。

この△6九角上記 結果B図*を見てわかる通り、先手の▲5八飛取りを見せながら間接的に△3六角成*を狙っています。

それだけでなく先手の▲8七玉も遠目に狙っており、後々に ▲5八飛がいなくなれば…*△8五歩* ▲同歩 △8六歩*の玉頭攻めや、△6八金打*で先手玉を寄せようとする狙いもあります。

よってこの△6九角は「▲7八金型天守閣囲い」では、▲5八飛・△3六角成・▲8七玉を狙う一石三鳥の角打ちになる事が多いのです。
しかも囲いの特性上…絶対に6九地点に角を打つ隙ができてしまいます。
そして▲5八飛と回る手も、この囲いではよく使われる攻撃手段なので、角交換をされるとこの△6九角は必ず生じてしまうのでした。

★「▲7八金型天守閣囲い」の短所 その3:角交換編1「△6九角に弱い」

6九地点ががら空きのため、そこへ常に△6九角と打たれる隙がある。

その△6九角が先手の▲8七玉・▲5八飛取り・3六地点を狙う一石三鳥の手になる事が多く、痛打になりやすい。


 

一応この角打ちへの予防策はある(この記事の最後で紹介。)のですが、
その前にもう1つの角打ちの隙を解説を先にしましょう。

 


 

 


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◇「▲7八金型天守閣囲い」に角交換は? その2:「金取りと角成を狙う△2七角!」

戻って、下記実戦1図再掲載します。
下記再掲載 実戦1図から手を進めて2つ目の角打ちの隙を見せます。

今度は相手の△8八角成の角交換に▲8八同玉と取ってみましょう。
これなら相手の△6九角▲8七玉を狙われる事はありません。

【再掲載 実戦1図は46手目△4五歩まで】
2つ目の角打ちの隙はどこにあるのか?

 

・再掲載 実戦1図からの指し手

▲同歩 △8八角成 ▲同玉 △2七角!

(結果C図)≫
≫の付いた↑青文字を押すと動く盤面で再生

【結果C図は50手目△2七角まで】
今度は2七に角を打たれ後手ペース

先手は▲8八同玉と玉を引いたので、相手からの玉頭攻めと△6九角の威力を落とす事ができました。
しかし今度は△2七角!(上記 結果C図)と角を右辺に打たれる手がありました。

この上図△2七角は先手の浮いた▲4九金を狙いつつ、次に△3六角成を狙った厳しい手です。
これも右金を自玉の囲いへ動かしにくい「▲7八金型天守閣囲い」で常に生じる角打ちです

ここから「▲7八金型天守閣囲い」が最善を尽くすと、そこそこ頑張る事ができるのですが手順が長くなるので、上記 結果C図から14手進行した下記の参考3図を見てください。

【参考3図は64手目△6四飛まで】
後手が▲5八飛を取った後に銀交換した局面。

この△6四飛まで進んだ上記 参考3図「▲7八金型天守閣囲い」の△2七角に対する弱さを如実に表した局面です。

後手は銀を交換しているので、上記 参考3図*から次に△6九銀*と打つ単純な狙いがあります。
よって先手はそれを受けるために、上記 参考3図*から▲6八金右*と指すしかなくせっかくの攻めの手番を失ってしまいます。

先手は5八の飛車を取られた時に▲5八同金と取ったのですが、この▲5八同金と取った形が相手に銀を渡すと△6九銀と割打ちの銀を狙われる格好の形なのです。

この「▲5八同金と取らせた後に6九地点を銀で狙う」のが△2七角と打つ際の狙いで、この手があるため通常の形よりも△2七角に弱いのです。

★「▲7八金型天守閣囲い」の短所 その3:角交換編2「△2七角に弱い」

こちらの▲4九金3六地点が浮き駒になるため、相手は常に△2七角と打つ隙がある。

・▲5八飛を取られた後の▲5八同金の形が、次に△6九銀を打たれる格好の形。


 

 

 

 


 

 

 

 


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◇「▲7八銀型天守閣美濃」に角交換は?「打つ場所なし&金銀の連結が良く隙なし」

もしもこれを「▲7八銀型天守閣美濃」相手にやろうとしても、△5八馬と取った後に▲同金と取った下記の局面(仮想1図)を見た瞬間に後手は「こりゃ駄目だ」となります。

【仮想1図は55手目▲同金まで】
美濃が連結して全く隙が無い。後手不利。

というわけで伝説の「▲7八金型天守閣囲い」は角交換から自陣に角を打たれる手が、この「▲7八銀型天守閣美濃」よりも多くあるという事なのでした。

ちなみに▲5八飛と仕掛ける手でなくても、序盤で▲3八飛*と回って3筋を狙う手にも△2七角*と打つ手が常にあります。

この戦法に常に付きまとう弱点なので、常に角を打たれた後の変化を読みながら指す事を心がけましょう。

★伝説の「▲7八金型天守閣囲い」の短所 その3

6九地点・2七地点に隙があるので、そこへ角を打たれる。


 

 

 

 


 

 

 

 


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◇「▲7八金型天守閣囲い」での角交換対策の布陣は?『▲4八金・▲2九飛型』

なお相手の角打ちを予防するには居飛車側は▲4八金・▲2九飛型(下図参照。)に組むと隙がなくなるので、相手に角交換を狙われて動き辛い時は下の陣形にする事をオススメします。

【対角交換図】
角交換に強く隙のない陣形。

上図から▲6八銀引~▲6六角~▲8八銀上~▲7七銀右(クリックでPart6の記事へ移動。) と固める手や、上図から▲4六銀~▲5九飛~▲5五歩と力を貯めて仕掛ける事ができ、隙なく攻撃力のある陣形です。

 


 

 


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◆伝説の囲い「▲7八金型天守閣囲い」3つの弱点まとめ

●伝説の「▲7八金型天守閣囲い」3つの弱点 まとめ

1:囲うために▲8八角を動かす必要があるため「▲7八銀型天守閣美濃」より発展手数が1手余分にかかる。(下図参照。)
8七地点へ銀を持っていくために4手も手数がかかり、さらに上部への隙も多く生じる。


        【天守閣囲い図】       
この▲8八角を動かさないと発展できない。

・今回のPart9「その1:『持久戦になるとスムーズに固め辛い』」の解説へ移動。


2:7九地点にスペースがないため、力を貯めた玉頭攻めを食らうと自玉を逃がす事ができない。(下図参照。)


   【再掲載 参考2図は△9六歩まで】   
 美濃なら▲7九玉と逃げられるのだが…。 

・今回のPart9「その2:『力を溜めた玉頭攻めに弱い』」の解説へ移動。


3:6九地点・2七地点に隙があるので、そこへ角を打たれる。(下図参照。)


 【再掲載 結果B図は50手目△6九角まで】 
 この△6九角と△2七角の隙が常にある。 

・今回のPart9「その3:『△6九角・△2七角と打たれる。』」の解説へ移動。


まとめ:持久戦になると1手余分に囲いの発展に手数がかかり隙も多い。
さらに相手の玉頭攻めを間に合わせてしまう。持久戦にすると短所が浮き彫りになってしまう囲い。


・「▲7八金型天守閣囲い」の長所を確認したい方は、下記のPart8の長所をまとめた記事をご覧ください。


関連記事:Part8「天守閣美濃との4つの違い」のまとめへ移動。

 

 


◆次回予告 「他の戦型でも登場!広がる天守閣囲い~応用編~」

Part8Part9では、天守閣囲いの長所と短所を全て紹介しました。
急戦型で天守閣美濃以上の力を発揮し、持久戦ではいい所がない「速攻型の囲い」という事がよくわかったはずです。

これで全ての解説を終わっても良いのですが、
最後に応用編として対振り飛車戦以外でもこの囲いが登場する例を次回紹介しましょう。

この囲い主軸に使わずとも知識として頭に入れているだけで、他の戦型でも応用が利くという実例をお見せします。

【次回予告図は29手目▲3六飛まで】
戦型はひねり飛車だが…。なんとここから!?

 

次回!伝説の囲い
『▲7八金型天守閣囲い』

最終回!

 

これを全て読んだ時…。
君の将棋に
伝説の囲いが
降臨する…!

 

 


◇次回の記事「Part10」最終回!


次回の記事

 

 


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*左美濃伝説 (秘法 (巻之2))* 定価:1,000円
週刊将棋 (編集) 1991年8月15日発売。 「振り飛車相手に飛車交換を挑め、仕掛けの権利を持っている戦法」はないのか? あまりにムシが良すぎる話だが、天守閣美濃囲いと▲4六銀右急戦を組み合わせるとそれが現実となる。 本書は昭和後期~平成初期に大流行した「左美濃▲4六銀戦法」にのみ絞った定跡書。 当時はまだ藤井システムが登場していない時代なので振り飛車の形は△8二玉型に限定されていますが、△8二玉型に絞った研究量は相当なもの。  今回紹介した「天守閣囲い」はP86の「変則左美濃超急戦パートⅡ」で紹介されており、メジャーな天守閣美濃からマニアックな天守閣囲いまで書いてある、正に伝説の左美濃本だ。
 
 

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