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【鏡の左早繰り銀 記事一覧へ移動する。】
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【第2回】入玉戦法『間宮久夢流』記事一覧へ移動する。>
目次
- ◆【第3回 誰も知らないマイナー戦法】早石田破りの必殺手!「鏡の左早繰り銀 新xaby角戦法」Part1 基礎編
- ◆「鏡の左早繰り銀」ハイライトシーン
- ◇(初手から)先手の3手目▲7五歩に、先手の石田流本組みを封じる絶対手!
- ◇(4手目)角交換に▲同銀と取るのが一般的。ここで罠を仕掛ける△1四歩
- ◇(6手目)角交換からの△1四歩に最善手は?端を受けずに▲7八飛!
- ◇(9手目)一見何事もなく進む序盤戦だが…最初の関門▲4六角の変化
- ◇(14手目)正体を現す鏡の△2二飛!実はここまでは2018年の書籍とほぼ同じ展開。「水面下に潜む端歩の毒牙…!」
- ◇(16手目)後手最速の向かい飛車に対し、先手が選ぶ囲いは?
- ◇(17手目 ハイライトシーン)石田流を強制的に「相居飛車」へ巻き込む"伝説の角" 再び…!
- ◇(18手目)働きすぎる名角△5四角!炸裂「極限!左早繰り銀」
- ◇(24手目)たった26手で石田流壊滅!全ての駒が2七へ殺到する美しい結果図
- ◆対石田流「鏡の左早繰り銀」7つのポイント まとめ
- ◆対石田流「鏡の左早繰り銀」の対策:『△1四歩に手抜きされると組めない』
- ◆次回予告「単純明快な新手!『早石田流破り!10手目の角打ち!』」
- ◆今回の記事の棋譜再生&kifファイルダウンロード
- ◆対石田流「鏡の左早繰り銀」&xaby角戦法 記事一覧
- ▽関連商品
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◆【第3回 誰も知らないマイナー戦法】早石田破りの必殺手!「鏡の左早繰り銀 新xaby角戦法」Part1 基礎編
(*の付いた青色の文字*を押すと解説が表示されます。)
この将棋 誰も知らないマイナー戦法シリーズも3回目となりました。
前回の第2回(クリックで第2回の記事へ移動。)は
初手から敵陣へ入玉を狙う、
プロ棋士考案のオリジナル戦法
「間宮久夢流」*を解説しました。
▲4七玉型の異形の中段玉から敵陣へ玉をねじ込んでいく、
まさしく「誰も知らないマイナー戦法」でしたね。
◎前回 第2回の記事 ⇒ 【第2回 誰も知らないマイナー戦法】三段玉の右玉で入玉!「間宮久夢流」Part2 中終盤編
◎鏡の左早繰り銀の記事一覧
●第3回 「鏡の左早繰り銀」・「xaby角」紹介記事一覧 ⇒ 第3回「鏡の左早繰り銀」記事一覧
◎『誰も知らないマイナー戦法』一覧【第1回~第3回】
●誰も知らないマイナー戦法一覧 ⇒「誰も知らないマイナー戦法」戦法集
第2回で早々に「幻の戦法」発表したので、
流石にネタが尽きてきている…と思われるかもしれませんが
まだまだ「誰も知らないマイナー戦法」は続きますのでご安心ください!
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この第3回では
「26手で石田流三間飛車を破る新戦法」!
石田流対策に頭を悩ます方にオススメの戦法です。
あの早石田封じ「xaby角戦法」の考案者 GAVA氏が
2018年8月に発売された書籍『振り飛車最前線 石田流VS△1四歩型』(クリックで商品紹介欄へ移動する。)で紹介された
とある戦法を元に独自の新手と思想を加えたものです。
まずはこのPart1で
元となった『振り飛車最前線 石田流VS△1四歩型』の駒組みと対策を解説し、
そこへGAVA氏が見つけた新手を発表して
本戦法の基本思想を勉強した後に…。
次回のPart2でさらなる改良を加えた「GAVA流 新戦法」の手順を披露させて頂きます。
というわけで…
この第3回で紹介する戦法は
「鏡の左早繰り銀 新xaby角戦法」(下図参照)
【新xaby角?図は18手目△5四角まで】
対石田流の戦法…ではないが…?
上記の新xaby角?図が、
今回紹介する戦法なのですが…。
「おや?」と思った事でしょう。
相居飛車の力戦角換わりから、
後手が早繰り銀戦法へ組んで
△5四角(上記 新xaby角?図)と打っただけの局面です。
確かに
下記 再掲載 新xaby角?図の局面は
後手がだいぶ得をしています。
【再掲載 新xaby角?図は18手目△5四角まで】
後手が相当得をしている局面。なぜ?
なぜなら
先手の▲3五歩・▲3八飛・▲2八銀が、後手の△5四角のせいで使い辛くなっているからです。
(先手は新xaby角図?*から▲3七銀*と上がると△2七角成*。
他に新xaby角図?*で▲3六飛*と浮くと△同角*で飛車を取られる。
他に新xaby角図?*で▲3四歩*は、△同歩* ▲同飛 △6四銀*と進み、次に△9五歩*~△9八歩*~△8六歩*を狙われる先手不利。)
先手の右辺の駒は、後手の△5四角の利き一本で苦しい状況になっています。
「先手は▲3五歩・▲3八飛・▲2八銀と指したのがいけなかったのです。」
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下記へ新xaby角?図を再掲載して、
さらにもう一つ。
【再掲載 新xaby角?図】
もう一つの優位な点。早繰り銀の攻め。
先手の左辺も△5四角の利きで大変な状況になっています。
後手は上記 新xaby角?図から
△6四銀~△7三桂~△7五銀(下記 新xaby角?結果図)と出て、
次に△8六歩の単純明快な早繰り銀で8七地点を突破する狙いがあるからです。
【新xaby角?結果図】
次の△8六歩が受からず後手優勢。
△5四角の利きがあるおかげで、
8七地点に飛・角・銀の3枚の駒が先手の玉頭に利いており、先手は受けがありません。
先手は▲7八玉型*のため、8七地点を狙われると一気にピンチへ陥ってしまいます。
先手の左辺の駒も、後手の△5四角の利き一本で苦しい状況になっていますね。
(地味に▲9六歩・△9四歩の交換*があり、先手は端攻めもあって厳しい。)
「先手は▲7八玉・▲9六歩と指したのがいけなかったのです。」
というわけで、
この下記の再掲載 新xaby角?図は後手ペースの局面なのでした。
【再掲載 新xaby角?図】
△5四角の効果で後手ペース!
後手が打った△5四角(上記 再掲載 新xaby角?図)という手がメチャクチャ厳しいのですね。
「…だからどうした?
いきなり相居飛車の局面を見せられ、
しかも"相居飛車的に先手が損な手ばかり指した局面"を見せられても。」
とあなたは思っているでしょう。
その通りです、
これは相居飛車の感覚で見ると
先手がひどい手ばかり指している局面なのです。
それが理解できた時、
あなたは既に「鏡の世界」へ
一歩足を踏み入れているのです…。
それでは…。
版定決の策対流田石
を「銀り繰早の鏡」
へたなあ
。…うょしまし授伝*
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◆「鏡の左早繰り銀」ハイライトシーン
そんなわけで
今回のハイライトシーンの紹介。
【ハイライト図は17手目▲2八銀まで】
相振り飛車で▲2八銀と寄った局面だが…。
上記 ハイライト図は
後手の△2二飛に
先手が▲2八銀(上記 ハイライト図)と上がった局面。
先手は次に▲4八金上と金無双囲いにし、
さぁこれから…という将棋に思えますが
それを一発で咎める手があります。
先手を鏡の世界へ送り込む
一撃必殺の手とは…!?
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◇(初手から)先手の3手目▲7五歩に、先手の石田流本組みを封じる絶対手!
では本戦法「鏡の左早繰り銀」の解説を始めましょう。
下記の初形図から手を進めます。
【初形図】
本戦法は先手早石田対策の戦法。
▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩(第1図)≫
≫の付いた青文字を押すと動く盤面で再生。↑
【第1図は3手目▲7五歩まで】
先手は▲7五歩で石田流宣言!
(*の付いた青色の文字*を押すと解説が表示されます。)
先手は3手目▲7五歩(上記 第1図)と7筋の歩を伸ばし、次に▲7八飛と振る「石田流三間飛車戦法」*を狙ってきます。
振り飛車戦法の中でも「攻めは飛角銀桂・守りは金銀3枚」の理想的な布陣を作れ、高い人気を誇る戦法です。
さて…、この上記 第1図の局面ですが
既に「鏡の左早繰り銀」にとって岐路を迎えています。
ここから後手は一手の緩みもない手順で、先手を鏡の世界へ放り込みます。
読みやすいよう、下記へ第1図を再掲載します。
【再掲載 第1図は3手目▲7五歩まで】
ここから先手を鏡の世界へ送り込む。
△8八角成!(第2図)≫
≫の付いた青文字を押すと↑動く盤面で再生。
【第2図は4手目△8八角成まで】
ここで角交換が一手の緩みもない手。
後手はここで△8八角成!(上記 第2図)が、先手の石田流本組みを封じた一手の緩みもない手。
例えば一手戻った第1図*で△1四歩*のような手だと、▲6六歩*と角道を止められ先手に石田流本組み*を作らせる余地を与えてしまいます。
それでも後手は△1五歩*と玉側の端歩を伸ばせるので、終盤で逃げ道が広い後手不満ない将棋になりますが、本戦法は先手にそんな変化を与える事すら嫌うのです。
可能な限り角交換から、毎回同じ展開に持ち込むのが本戦法の思想です。
【再掲載 第2図は4手目△8八角成まで】
毎度同じ展開に持ち込む角交換。
・4手目△8八角成の角交換!これで石田流本組みを阻止。
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△(4手目 変化)角交換に▲同飛と取る手は?これには△4五角と打ち込み互角
さて、ここでまず最初の変化です。
この下記の再掲載 第2図の△8八角成で
▲同飛と取る変化はどうなるのでしょうか?
【再掲載 第2図は4手目△8八角成まで】
この角交換に▲同飛だと?
この△8八角成(上記 再掲載 第2図)に
▲同飛(下記 変化A1図)と取る手には
どうするのでしょうか?
【変化A図は5手目▲同飛まで】
先手が▲同飛と取る変化は?
この▲同飛*(上記 変化A図)も有力で、
先手は上記 変化A図から次に▲6八銀*と上がり、▲4八玉~▲3八玉*と角交換向かい飛車にする狙いです。
よって普通の実戦の流れだと
この上記 変化A図の▲同飛*には、
△4五角* ▲7六角* △4二玉*から玉を囲って一局の将棋になります。
以下▲3八金* △5四角 ▲同角 △同歩 ▲6八銀* △6二銀 ▲7七銀 △5三銀* ▲6六銀 △6四銀(下記 変化A結果図)と進んで先手の▲7五歩を狙って行きます。
【変化A1結果図は18手目△6四銀まで】
これで一局。▲7五歩型のため先手動き辛い。
これは石田流の定跡書で書いてある基本的な変化ですので、
本記事最後にある関連書籍紹介ページにある定跡書を購入して勉強しましょう。(クリックで本記事の『関連書籍紹介ページ』へ移動する。)
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◇(4手目)角交換に▲同銀と取るのが一般的。ここで罠を仕掛ける△1四歩
読みやすいよう、
下記へ第2図を再掲載します。
下記 再掲載 第2図の角交換に、先手は▲同銀と取るのが一般的です。
というより実戦だと4手目角交換を飛車で取る人はほとんどいないので、
▲同飛の変化は勉強しても実際に使う機会は全くありません…。
【再掲載 第2図は4手目△8八角成まで】
まず間違いなくみんな▲同銀と取る。
▲同銀 △1四歩(第3図)≫
≫の付いた青文字を押すと↑動く盤面で再生。
【第3図は6手目△1四歩まで】
この手が罠を秘めた手。
ここで△1四歩(上記 第3図)と突く手がちょっとした罠を秘めた手。
この△1四歩*に対し、先手が▲1六歩*と受ければ本譜と同様の手順に進めて後手不満ありません。
どちらかと言うと、
上記の△1四歩に▲7四歩(下記 変化B1図)と突く手が気になるかもしれません。
【変化B1図は7手目▲7四歩まで】
本戦法特有の変化。△同歩に▲5五角。
この▲7四歩(上記 変化B1図)は△同歩に▲5五角(下記 変化B2図)が狙いで。
【変化B2図は9手目▲5五角まで】
この手が狙いだが、実はこれが罠。
上図の▲5五角(変化B2図)は一見嫌な手に見えますが、
実はこの手が後手が誘っている最初の罠です。
以下の変化は
下記の別ページで詳しく解説しているので
そちらをご覧ください。
△(7手目 変化1)「鏡の左早繰り銀」7手目で▲7四歩~▲5五角なら?
…なので下記 再掲載 第3図の△1四歩では、先手は▲7四歩と突けないのです。
【再掲載 第3図は6手目△1四歩まで】
ここで▲7四歩は成立しない。
ちなみに今回のような変化を指しこなす自信がないなら、
先手に全く変化の余地を与えない
次回 Part2で紹介する
「GAVA流 鏡の左早繰り銀」の駒組み方が
あるのでそちらを推奨します。
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◇(6手目)角交換からの△1四歩に最善手は?端を受けずに▲7八飛!
下記へ第3図を再掲載し、局面を進めます。
【再掲載 第3図は6手目△1四歩まで】
この手の意味は次第にわかる。
▲7八飛 △3二銀 ▲1六歩(第4図)≫
≫の付いた青文字を押すと動く盤面で再生。↑
【第4図は9手目▲1六歩まで】
最初の罠がこの△1四歩~△3二銀。
この△1四歩~△3二銀が最初の罠で、この手が先手の実力を測る「罠を秘めた一手」です。
後手がこうして銀を上がった手に、先手が正しい手を指せるかどうか?
これが最初の山場です。
この8手目△3二銀の表面的な狙いは、
上記 第4図で△4五角(下記 変化C1図)と打つ手です。
【変化C1図は10手目△4五角まで】
この時に▲7六角と打てない。
上記 変化C1図に対し、先手は▲7六角と返して6七地点を守りながら▲4三角成を狙うのが定跡なのですが…。
よく見ると、上の局面は△3二銀が4三地点を守っていますので、上記 変化C1図*から▲7六角*には△2七角成*で一方的に馬を作って後手有利になります。
よってこの上記 変化C1図以下、▲2二角 △1三香 ▲6六角成 △2七角成(下記 変化C2図)…と激しい変化になり、やや先手ペースとなります。
【変化C2図は14手目△2七角成まで】
以下乱戦。難解だが、やや先手ペース。
このあたりの変化は『さくさく三択で学ぶ AI三間飛車の新定跡 (マイナビ将棋文庫)』(クリックで『商品紹介欄』へ移動。)のP381~P396「石田流対策△1四歩作戦」で詳しく解説されています。
先手が正しい対応を知らないと、逆にあっさり後手ペースになってしまいますので目を通しておきましょう。
なので、場合によっては先手をこの変化に誘導してみるというのも一つの手段です。
(この変化に自信がないと第3図*で▲1六歩*と受けた場合に、以下△3二銀 ▲6八飛*と振る人がいる。これは後手一手得になり、後手ペース。)
この7手目▲1六歩~9手目▲6八飛の変化は、下記の別ページで解説していますのでそちらをご覧ください。
△(7手目 変化2)「鏡の左早繰り銀」7手目で▲1六歩~▲6八飛なら?
他にも第3図*で▲1六歩*と受けると、
△3二銀と上がらずに△4二玉*のような変化が気になります。
よって先に第3図*で▲7八飛*と振って、その手を消してから、
▲1六歩(下記 再掲載 第4図)と突いておきます。
【再掲載 第4図は9手目▲1六歩まで】
よって先手は先に▲7八飛と振る。
この上記 再掲載 第4図に至るまで
後手△1四歩~△3二銀の罠を全てかいくぐり、
先手は無事に飛車を振ることができました。
・△1四歩~△3二銀で4三地点を守り、先手を揺さぶる。この1筋の端歩の交換が大事!
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◇(9手目)一見何事もなく進む序盤戦だが…最初の関門▲4六角の変化
それでは下記へ第4図を再掲載し、
手を進めましょう。
下記 再掲載 第4図*では、先手からの▲7四歩 △同歩 ▲5五角*が何となく気になります。(これも△3三角*と受けて問題なく、後手十分なのですが。)
【再掲載 第4図は9手目▲1六歩まで】
次に▲7四歩~▲5五角が気になるが。
△3三銀 ▲5八金左(第5図)≫
≫の付いた青文字を押すと動く盤面で↑再生。
【第5図は11手目▲5八金左まで】
先手は金を上がり△4五角を消した。
後手は△3三銀と上がり、先手の▲7四歩~▲5五角を完全に消します。
そして次に△4五角*と打つ手を見せます。
なので先手もそれを消すために▲5八金左(上記 第5図)と上がります。
このあたりは互いの嫌な手を消していく作業が続きます。
下記へ第5図を再掲載し、手を進めましょう。
ここまでは通常の定跡とほぼ同じですが
これよりたった5手で局面を「鏡の世界」へと変えてしまいます。
【再掲載 第5図は11手目▲5八金左まで】
ここまでは普通の定跡手順だが…?
△2四歩 ▲4八玉 △2五歩 ▲3八玉
(第6図)≫
↑≫の付いた青文字を押すと動く盤面で再生。
【第6図は15目▲3八玉まで】
途中、先手が▲4六角と打つ手には?
後手はここで△2四歩~△2五歩とグイグイ2筋の歩を伸ばしていきます。
対する先手は▲4八玉~▲3八玉(上記 第6図)とし、ゆっくり玉を囲っていきますが…。
ここで変化の解説ですが、
後手が12手目△2四歩*と伸ばした時に▲4六角(下記 変化E1図)と打つ手が少し気になる手です。
【変化E1図は13手目▲4六角まで】
次に▲7四歩~▲8二角成が狙い。
上記 変化E1図の狙いは、
次に▲7四歩 △同歩 ▲8二角成 △同銀 ▲7四飛(下記 変化E1結果図)と走って後手の飛車を消し、
ぼんやりとした力戦にする事で本譜のような展開にさせない狙いです。
【変化E1結果図は19手目▲7四飛まで】
互角の将棋。本譜のような展開にさせない。
これは互角の将棋で、二枚飛車対二枚角で互いに指し手が難しい様相となります。
他に本譜14手目△2五歩*にも▲4六角(下記 変化F1図)と打つ手があり
【変化F1図は15手目▲4六角まで】
こちらのタイミングで打つ手もある。
これも次に上記 変化F1図から▲7四歩~▲8二角成~▲7四飛で力戦にする狙いです。
しかしこの上記の▲4六角には、後手にしっかりとした対策があるのでご安心ください。
詳しい変化は下記のページで解説させて頂きます。
△(13.15手目 変化)「鏡の左早繰り銀」13手目・15手目に▲4六角の変化
ちなみにこの手が気になる方は、
△2四歩・△2五歩を後回しにして、
次回のPart2で紹介するGAVA流の手順を推奨します。
・先手の▲4六角には△7二飛~△8二銀でしっかり防御!
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◇(14手目)正体を現す鏡の△2二飛!実はここまでは2018年の書籍とほぼ同じ展開。「水面下に潜む端歩の毒牙…!」
下記へ第6図を再掲載して手を進めます。
どうにも序盤で無理に動くのは、後手にしっかりと受けられ先手悪くなります。
よって先手は▲3八玉(下記 再掲載 第6図)と玉を囲っていきますが…。
【再掲載 第6図は15手目▲3八玉まで】
先手は玉を囲っていくが…!
△2二飛!(第7図)≫
≫の付いた青文字を押すと↑動く盤面で再生。
【第7図は16手目△2二飛まで】
姿を現した「鏡の相居飛車」!
後手はついに正体を現しました!
それが先手の▲3八玉を見てから…
△2二飛!(上記 第7図)と向かい飛車に振った手です。
一見ただの相振りダイレクト向かい飛車に見えますが、
これが「鏡の相居飛車」の罠を秘めた局面なのです。
この上記 第7図の△2二飛には、先手はある手を指したくなるはずです。
それは▲6五角(下記 変化H1図)です。
【変化H1図は17手目▲6五角まで】
当然の一手…だが、実は悪手。
この上記 変化H1図の▲6五角から、
次の▲4三角成・▲8三角成の両成りが受からず後手不利…というのがよくある定跡です。
普通なら上記 変化H1図の▲6五角*には△5四角*と打ち、▲同角 △同歩*…と進み互角の将棋となります。
実はここまでの手順は、
2018年 8月13日に発売した『振り飛車最前線 石田流VS△1四歩型』(クリックで商品紹介欄へ移動する。)のP25「第1節 向かい飛車」・P155「角交換型相振り飛車」とほぼ同じで、
こちらの書籍の方では上記 第7図の局面まで進み▲6五角には△5四角と合わせて後手勝ちやすいという事で、本戦法の解説は打ち切られています。
というわけで上記 第7図では、
書籍通り△5四角と合わせて後手十分…。
…と思われたかもしれませんが、
本戦法はそのような変化にはなりません。
なぜなら、ここから後手がそれ以上に有利となるGAVA流の罠があるのですから…!
△(17手目 変化)17手目▲6五角の変化。「鏡の相居飛車」に秘められた「端歩の毒牙」
…というわけで、先手は▲6五角と打てないのでした。
これぞ「1筋の端歩の交換に秘められた毒」なのです。
この返し技の手順を用意するため、後手は序盤に△1四歩・▲1六歩の交換を入れていたのです。
・▲6五角には、△1五歩~△2六歩から香を奪い取り2筋突破!この1筋の端歩交換が後手の罠。
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◇(16手目)後手最速の向かい飛車に対し、先手が選ぶ囲いは?
下に第7図を再掲載し、手を進めましょう。
ここからが本では語られなかった、
「あの角」が登場する「誰も知らないマイナー戦法の世界」です。
【再掲載 第7図は16手目△2二飛まで】
後手は最速の△2二飛!先手の囲いは?
▲2八銀(ハイライト図)≫
≫の付いた青文字↑を押すと動く盤面で再生。
【ハイライト図は17手目▲2八銀まで】
金無双囲いを選んだ。ここで…。
先手は▲2八銀(上記 ハイライト図)と上がり、金無双囲い*を作る準備をします。
ここで▲2八玉*と囲う手もありますが
本譜より後手の攻めに玉が近くなるので、今回紹介する手順と同様に攻めて後手優勢となります。
さて…17手目ですが、早くも今回冒頭で紹介したハイライトシーンに来ました。
この局面まで来てみると、もうあなたは次の手が見えているでしょう。
そして…その手が何故後手有利なのか?
その意味も全て理解できているはずです。
というわけで、このハイライトシーン…。
これより先手を「鏡の早繰り銀」の世界へ連れて行きましょう…!
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◇(17手目 ハイライトシーン)石田流を強制的に「相居飛車」へ巻き込む"伝説の角" 再び…!
ハイライト図を下に再掲載し、
次の一手を指しましょう。
【再掲載 ハイライト図は17手目▲2八銀まで】
あの"伝説の角"が姿を現す…!
△5四角!(第8図)≫
≫の付いた青文字を押すと↑動く盤面で再生。
【第8図は18手目△5四角まで】
"相居飛車"の世界へようこそ…!
この△5四角!(上記 第8図)が
先手を強制的に「相居飛車の将棋」へ持ち込む"あの伝説の角"なのです。
相振り飛車の陣形で、後手が△2二飛・△3三銀型から△5四角(上記 第8図)と打った局面。
これで先手の▲6五角を消しました。
さて…。
この下記 再掲載 第8図△5四角の局面は
後手がだいぶ得をしています。
【再掲載 第8図は18手目△5四角まで】
後手が相当得をしている局面。なぜ?
なぜなら
先手の▲7五歩・▲7八飛・▲8八銀が、後手の△5四角のせいで使い辛くなっています。
(先手は上記 第8図*で▲7七銀*と上がると△8七角成*。
他に上記 第8図*で▲7六飛*と浮くと△同角*で飛車を取られる。
代えて上記 第8図*から▲7四歩*は、△同歩* ▲同飛 △4四銀*と進み、次に△1五歩*~△1八歩*~△2六歩*を狙われる先手不利。)
先手の左辺の駒は、後手の△5四角の利き一本で苦しい状況になっています。
「先手は▲7五歩と突いているせいで、後手の△5四角の利きが8七・7六へ通ってしまっているのが大きいのです。」
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下記へ第8図を再掲載して、
さらにもう一つ。
【再掲載 第8図は18手目△5四角まで】
もう一つの優位な点。早繰り銀の攻め。
先手の右辺も△5四角の利きで、既に大変な状況になっています。
後手は上記 再掲載 第8図から
△4四銀~△3三桂~△3五銀(下記 変化J結果図)と出て、
次に△2六歩の単純明快な早繰り銀で2七地点を突破する狙いがあります。
【変化J結果図は24手目△3五銀まで】
次の△2六歩が受からず後手優勢。
△5四角の利きがあるおかげで、
2七地点に飛・角・銀の3枚の駒が先手の玉頭に利いており、先手は受けがありません。
先手は▲3八玉型のため、2七地点を狙われると一気にピンチに陥ってしまいます。
先手の右辺の駒も、後手の△5四角の利き一本で苦しい状況になっていますね。
(▲1六歩・△1四歩の交換があるため、先手は端攻めもあって厳しい。)
…というわけで、この下記 再掲載 第8図のからくりがわかってきたでしょう。
【再掲載 第8図は18手目△5四角まで】
居飛車早繰り銀とそっくりの局面。
そう…。
この上記 再掲載 第8図は、
冒頭で解説した「先手が相居飛車的に明らかに損な手ばかり指した局面」なのです。
先手は
「▲7五歩・▲8八銀・▲7八飛型」
「▲3八玉・▲2八銀・▲1六歩型」
の両方を△5四角!の一手で咎められています。
対する後手は最速で
「△1四歩・△3三銀・△2二飛・△5四角!」を指して、
居飛車角換わり戦法の理想の攻撃陣
「早繰り銀△5四角型」を完成させました。
つまり…、
この下記 再掲載 第8図を…。
【再掲載 第8図は18手目△5四角まで】
この局面を左右反転させると…!
グルリと左右反転(下記 新xaby角反転図)してみると…。
【新xaby角反転図は18手目△5四角まで】
左右反転した局面。この局面は…!!
なんと…!
冒頭で解説した「先手が相居飛車的に損な手ばかりを指していた局面」と全く同じです。
…というわけで、
これこそGAVA氏が以前考案した「早石田封じ!xaby角戦法」(下記 xaby角戦法図)で用いた思想…。
【xaby角戦法図は6手目△5四角まで】
先手に無理矢理居飛車を指させる戦法。
上図から先手に飛車を振らせず
△8四歩~△8五歩~△7二銀~△8三銀の筋違い角棒銀にして
慣れない相居飛車を相手に強制させる戦法を…。
さらに昇華させた新戦法が
下記の新xaby角戦法「鏡の相居飛車 左早繰り銀戦法」(下記 再掲載 第8図)なのでした。
【再掲載 第8図は18手目△5四角まで】
気がつけば"相居飛車になっていた。"
旧xaby角戦法は、
飛車を振る前に△5四角と打って「先手に飛車を振らせず強制的に慣れない相居飛車にさせる戦法」なのに対し
新xaby角戦法は、飛車を振らせた後に△5四角と打って「気がつけば強制的に先手を慣れない左右反転の相居飛車にさせる戦法」なのでした。
というわけで、
石田流を封じる"あの伝説の角"は、さらなる進化を遂げていたのでした…!
ただしこの第8図の18手目 △5四角は、既存の定跡形の先に打っただけの角なので、GAVA流の新手と呼ぶには相応しくありません。
このPart1の理想形を元に改良案を出した、真の"新たな あの伝説の角"は次のPart2で紹介します。
さらに今回の新xaby角戦法は、旧xaby角戦法で一番の被害者となったxaby氏へは一度も指されておらず無関係なので、以降は新xaby角戦法と呼ばず「鏡の左早繰り銀」と呼ばせていただきます。
…ちなみにこの△5四角を打つタイミングは「先手が▲7八飛・▲8八銀型*の時」がベストです。
少しタイミングをずらして、先手が▲7七銀*と上がった時に△5四角*と打つと、▲8八飛*とされて先手の左辺の駒が使いやすくなってしまいます。(下記 参考B図参照。)
【参考B図は21手目▲8八飛まで】
これは先手の左辺の飛銀が使いやすい。
この形になると、先手は次に▲8六歩~▲8五歩と突いて左辺の駒を活用しやすくなります。
これで後手が悪いわけではないのですが、少し先手に差を詰められてしまうので気をつけておきましょう。
・△5四角と打ち、先手の▲7五歩・▲3八玉型の両方を咎める!この△5四角を打つタイミングの目安は、先手が▲7八飛・▲8八銀型の時。
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◇(18手目)働きすぎる名角△5四角!炸裂「極限!左早繰り銀」
読みやすいよう、第8図を下記へ再掲載します。
【再掲載 第8図は18手目△5四角まで】
この△5四角が石田流を咎めた名角。
この上記 再掲載 第8図の局面は、
△5四角の働きが強すぎて石田流苦しい局面となっております。
例えば上記 第8図*で▲3六角*と打って、
以下△同角 ▲同歩 △2六歩* ▲同歩 △同飛* ▲2七銀 △2二飛 ▲2六歩*から右辺を盛り上げて受けようとすると、
△3五歩 ▲同歩 △4四銀*から次に△3五銀~△2六銀の早繰り銀の攻めを狙って後手有利となります。
右辺の歩を突いて盛り上がったせいで、それを後手の攻撃目標にされてしまっています。
他に上記 第8図*で▲7六角*は、△同角 ▲同飛に△7二金*~△4四銀*~△5四角*と打ち、先手の浮いた▲7六飛取りを狙いつつ、次に△3三桂*~△3五銀*~△2六歩*の玉頭攻めが狙える後手有利です。
先手が▲3六角~▲3六同歩と右辺の歩を突くと…それを将来△4四銀・△5四角!で狙われ、
代えて先手が▲7六角~▲7六同飛と飛車を浮いて石田流の構えを作ろうとすると、やはり△5四角!でそれを狙われてしまう…。
当然先手は▲7七銀*(△8七角成*がある。)とも上がる事ができず、▲7四歩*と突くとその歩を△5四角*のラインで利用されて1筋から端攻めを食らい。
そして何気なく先手からの▲6五角*の筋も消している…。
8七・7六・6五・3六・2七・1八の地点。
ほぼ全ての地点に利きの意味を持たせた、
一石六鳥の効果を持つ名角が△5四角なのでした。
【再掲載 第8図は18手目△5四角まで】
一石六鳥の名角。
あまりの名角を前にしたため話が長くなりましたが、
第8図を下記へ再掲載して手を進めましょう。
【再掲載 第8図は18手目△5四角まで】
ここから後手の左早繰り銀が炸裂!
▲4八金上 △4四銀 ▲8六歩 △3三桂!
▲8五歩 △3五銀!(第9図)≫
≫の付いた青文字を押すと動く盤面で再生。↑
【第9図は24手目△3五銀まで】
次に△2六歩が受からず後手有利!
この上記 第9図まで進むまでに注意すべき点は、△3五銀と上がる前に22手目で△3三桂*と跳ねる事だけです。
もし22手目で△3三桂と跳ねず、△3五銀*と上がると先手に▲6六角*と打たれてしまい、後手△4四歩*と突く羽目になり、後に△2六歩* ▲同歩 △同銀*の時に▲4四角*の筋があり後手少し損です。(それでも後手有利ですが、わざわざ先手に変化を作らせる必要はない。)
なので後手は22手目で△3三桂!と跳ねてから△3五銀!(下記 再掲載 第9図)と上がったのでした。
【再掲載 第9図は24手目△3五銀まで】
ここからの変化が気になるが…?
もしも上記 再掲載 第9図*で▲6六角*なら、△3二金(△4二金)*で全く効果がありません。
他に上記 再掲載 第9図*で▲7六角*は、△同角▲同飛 △5四角* ▲8六飛に△2六歩*でやはり玉頭攻めが厳しく後手有利です。
よって2筋を受けるなら上記 再掲載 第9図*で▲1七銀*ですが、それも△2六歩* ▲同歩 △同銀 ▲同銀 △同飛*で2筋を突破して後手勝勢となります。
もう一つ、上記 再掲載 第9図*で▲1七角*も考えられる粘りですが…、以下△2六歩* ▲同角 △同銀 ▲同歩 △同飛 ▲2七歩*に△8六飛*~△8七角成がある後手優勢です。
最後に上記 再掲載 第9図*で▲1八角*は、△2六歩* ▲同歩 △1八角成 ▲同香 △5四角* ▲2七角 △4五桂* ▲1七銀 △1五歩* ▲同歩 △同香 ▲1六歩*に△2八歩* ▲同玉 △2六銀*から、手数は長くなりますが玉を2筋へ寄せて攻めていけば後手優勢となります。
…どの変化も△5四角が恐ろしく利いていて、開いた口が塞がりません。
【再掲載 第9図は24手目△3五銀まで】
2七地点へ駒が利きすぎて受けられない。
この上記 再掲載 第9図まで進むと、後手の△2二飛・△5四角・△3五銀が先手の弱点である2七地点へ集中しているので、先手は受ける術がないのです。
ここまで進んでしまうと、先手の2七地点はどうやっても受かりません。
そしてこの攻めを成立させるため、後手は序盤で最速で△2二飛とダイレクトで振って△5四角・△3五銀・△3三桂・△1四歩型を作ったのでした。
あと…何気ないですが、後手の玉が△5一玉の居玉なのも先手の▲7四歩~▲5五角のような攻めから遠く、かえって安全になっています。
細かいですが後手の玉を5一へ置いても問題ないよう、序盤で△1四歩*と突いていたのでした。(この端歩がないと△2六同飛に下記のような▲1五角の王手飛車がある。)
【参考C図は31手目▲1五角まで】
△1四歩がないと王手飛車が生じる。
・最速の△3三桂~△3五銀~△2六歩で2筋突破!単純明快すぎる攻め。
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◇(24手目)たった26手で石田流壊滅!全ての駒が2七へ殺到する美しい結果図
読みやすいよう下記へ第9図を再掲載し、手を進めます。
【再掲載 第9図は24手目△3五銀まで】
後は単純明快!極限早繰り銀!
▲7四歩 △2六歩! ▲同歩 △同銀!
(結果図)≫
↑≫の付いた青文字を押すと動く盤面で再生。
【結果図は28手目△同銀まで】
次の△2七銀成で後手有利!先手崩壊。
指す手がなくなった先手は▲7四歩*(△同歩*に▲5五角*が狙い。)と指してきますが、それには無視して26手目△2六歩!と突く手が決め手。
次の△2七歩成があるので先手は▲同歩と取る一手ですが、それに△同銀!*(上記 結果図)と取って次の△2七銀成*がある後手優勢となります。
上記 結果図*で▲2七歩*と打つのは△同銀成*と取って2筋突破が確定します。(以下▲同銀*なら△同角成* ▲3九玉 △2八銀*までの詰み。)
他に上記 結果図*で▲3六角*は、△2七歩* ▲3九銀 △4五桂*で、次に△3五歩の角殺しがある後手優勢。
最後に上記 結果図*で▲2五歩*は、△同飛* ▲3六角* △同角 ▲同歩に△2七角!* ▲同銀 △同銀成 ▲4九玉* △3七成銀!* ▲同桂 △2九飛成*で右辺を突破した後手優勢です。
…というわけで、26手目の△2六歩!の時点で既に先手陣は崩壊しているのでした。
先手は極端に変な手は指していないのに、気がつけばどうしようもなくなっている…。
なんだか狐につままれたような手順ですが
実戦だとあっさり下記の再掲載 結果図の局面を迎え、あっさり後手の居飛車が優勢となる事が多々あります。
【再掲載 結果図は28手目△同銀まで】
実戦だとあっさりこの局面になる事も。
後手の手順にスピード感がありすぎて、
先手がゆっくり玉を囲って
「さぁこれからどうしよう」と思った時には
勝負がついてしまっているのです。
先手の石田流使いはあまりの破壊力に圧倒され
実は後手が「左右反転の相居飛車角換わり早繰り銀を狙っている戦法」とすら気がつかない…。
これぞ石田流破りの極意「鏡の左早繰り銀戦法」なのでした…!
・左早繰り銀の攻撃陣が完成したら、後は一気に2筋突破!
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◆対石田流「鏡の左早繰り銀」7つのポイント まとめ
最後に今回解説した「鏡の左早繰り銀」の7つのポイントをまとめておきます。
1:4手目△8八角成の角交換!これで石田流本組みを阻止。(下図参照。)
【再掲載 第2図は4手目△8八角成まで】
ここで角交換!本組みの余地を与えない。
・ポイント1:『先手の石田流本組みを封じる絶対手!』の解説へ移動。
2:△1四歩~△3二銀で4三地点を守り、先手を揺さぶる。この1筋の端歩の交換が大事!(下図参照。)
【再掲載 第3図は6手目△1四歩まで】
この端歩が後の△1五歩の端攻めを作る。
・ポイント2:『罠を仕掛ける△3二銀~△1四歩。』の解説へ移動。
ちなみに序盤の8手目△3二銀*では、先手から▲4五角*と打たれる手が少し気になります。
(以下先手筋違い角棒銀*にされた時、後手は2筋がやや受け辛い。
他に普通に筋違い角振り飛車*にされても、△3四歩がない&△3二銀型の囲いの上部が薄いのが気になる。)
もしこの手が気になるなら、△3二銀に代えて△2二銀*と上がる手を推奨します。
(この手に▲4五角*なら△6二銀~△3二金*と上がり、通常の対筋違い角定跡にして後手不満なし。)
3:先手の▲4六角には△7二飛~△8二銀でしっかり防御!(下図参照。)
【再掲載 変化E2図は14手目△7二飛まで】
次に△8二銀と上がれば先手の攻めはない。
4:▲6五角には、△1五歩~△2六歩から香を奪い取り2筋突破!この1筋の端歩交換が後手の罠。(下図参照。)
【再掲載 変化H2図は26手目△2五飛まで】
次に△1六角からの一撃必殺がある。
5:△5四角と打ち、先手の▲7五歩・▲3八玉型の両方を咎める!この△5四角を打つタイミングの目安は、先手が▲7八飛・▲8八銀型の時。(下図参照。)
【再掲載 第7図は18手目△5四角まで】
相居飛車と似た形にして先手の不備を突く。
6:最速の△3三桂~△3五銀~△2六歩で2筋突破!単純明快「極限!左早繰り銀」が炸裂!(下図参照。)
【再掲載 第9図は24手目△3五銀まで】
次の26手目△2六歩で崩壊!最速の攻め!
7:左早繰り銀の攻撃陣が完成したら、後は一気に2筋突破!(下図参照。)
【再掲載 結果図は28手目△同銀まで】
後は2七を狙うだけで後手有利。
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◇最後に「先手の有力策とその後の展開」
…以上が、対石田流「鏡の左早繰り銀戦法」でした。
序盤の随所に沢山の罠があり、石田流側としては非常に厄介な戦法です。
ちなみに先手がしっかり対応して▲2八銀・▲3八金型*を作ったら局面は互角。
流石に先手玉が遠いので簡単には攻め切れません。
なので△7二金~△4二金~△5二玉*と囲ってから、じっくり「逆相掛かり風」*に指す将棋となります。
(ポイントは△7一銀型*にして、△8二銀*の余地を作る事。△6二銀~△6四歩~△6三銀の雁木*だと▲4七角・▲5六角*で8三地点を狙われる。)
これも後手は▲1六歩・△1四歩の突き合いがあるので、将来端攻めがあり後手不満なし。
このように先手が最善を尽くすと相居飛車の感覚が必要となる将棋になります。
そうなると居飛車経験の差が生きやすい将棋となり、自然と後手が良くなるはずです。
…つまり「旧xaby角戦法」*で少々の劣勢を覚悟して狙いたかった将棋へ何の損もなしに持ち込めてしまうのです。
石田流党からすると絶望的な話ですね。
…と一見無敵の万能戦法と思いきや、
本戦法には「その発動を封じる対策」があります。
最後にその対策「先手▲1六歩不突き」を紹介して
Part1の解説を終わりましょう。
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◆対石田流「鏡の左早繰り銀」の対策:『△1四歩に手抜きされると組めない』
後手指しやすい将棋になりますが、
実はこの戦法に組ませない対策があります。
それは先手が最後まで▲1六歩と端を突き返さない手です。
後手が「鏡の左早繰り銀」で来るとわかっているなら、
単純な対策があります。
それが下記の8手目△3二銀以降も
断固▲1六歩と突かない手。
【変化K1図は8手目△3二銀まで】
本譜はここで▲1六歩と受けたが…。
この上記 変化K1図で、
先手は▲1六歩と受けたせいで
後の端攻めや▲6五角に△1五歩~△2六歩のカウンターを作ってしまいました。
よって先手は、
上記 変化K1図で▲1六歩と突かずに
▲5八金左!(下記 変化K2図)と上がってしまえば良いのです。
【変化K2図は9手目▲5八金左まで】
この金上がりが本戦法の発動を封じる。
上記 変化K2図から
△3三銀 ▲4八玉 △2四歩 ▲3八玉
△2五歩 ▲2八銀(下記 変化K3図)
と進み。
【変化K3図は15手目▲2八銀まで】
この時に後手は△2二飛と振れない。
上記 変化K3図まで進んでみると
先手の2七地点が手厚いのと、1筋の攻めがないため
後手は△2二飛と振る事ができないのです。
(一応上記 変化K3図*で先に△5四角*と打つことで▲3六角* △2二飛 ▲5四角 △同歩*で何とか飛車は振れるものの、△5四角の攻めがなくなりやや後手不満。)
もし上記 変化K3図で
△2二飛と振ってしまうと
▲6五角(下記 変化K結果図)があり
後手不満となります。
【変化K結果図は17手目▲6五角まで】
以下△5四角に▲8三角成で後手不満。
上記 変化K結果図で△5四角は、
▲8三角成と進んだ時、先手の2七地点に銀と玉が利いており△2七角成の強襲がありません。
さらに本記事で紹介した△1五歩~△2六歩のカウンターも、
先手が▲1六歩と突いていないため、狙う事ができません。
よって後手は△2二飛と振る事ができず「鏡の左早繰り銀」に組む事ができないのでした。
というわけで
この「鏡の左早繰り銀」対策は、
先手が▲1六歩を最後まで突かない事なのでした…。
こちらの「▲1六歩不突き」は
『振り飛車最前線 石田流VS△1四歩型』(クリックで商品紹介欄へ移動する。)の
P156で解説されています。
さらに変化K2図▲5八金左から
後手が△1五歩と突いて対抗していく手段が紹介されているので、
以降の後手の有力策が知りたい方は
『振り飛車最前線 石田流VS△1四歩型』(クリックで商品紹介欄へ移動する。)のP157~P180をご覧ください。
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◆次回予告「単純明快な新手!『早石田流破り!10手目の角打ち!』」
今回紹介した
「鏡の左早繰り銀戦法」は△1四歩に
先手が端を受けずに駒組みを進めると組めない事がわかりました。
では、本戦法は安定して使えない不完全戦法…と思ったでしょうが…。
次回からが本番です。
なんと今回のPart1の問題点を全て解消し、
毎回確実に『鏡の左早繰り銀』へ組む
GAVA流の新手順があるのです。(下記 次回予告図参照。)
【次回予告図は9手目▲5八金左まで】
今回はここで△1四歩と突いていたが…。
上記 次回予告図で△1四歩と突くと今回解説した形になりますが、
なんと新バージョンはたった一手で
「先手に端歩を手抜きされると左早繰り銀へ組めない。」*
「序盤に▲4六角~▲7四歩と先手から動く手がある。」*(結果は後手有利ですが。)
の両方の問題を解消してしまいます。
10手目で放たれる
単純明快な
早石田破りの角打ちとは!?
次回をお楽しみに!
◇次回の記事(Part2)
◆今回の記事の棋譜再生&kifファイルダウンロード
この記事で解説した棋譜を動かして再生できます。
さらに今回解説した記事を「解説付きkifファイル」でダウンロードできます。
マイナー将棋ブログ 作『【第3回 誰も知らないマイナー戦法】 早石田破りの必殺手!「鏡の左早繰り銀 新xaby角戦法」Part1.kif』はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスで提供されています。
https://minorshogi.com/3st-minor-tactics-that-no-one-knows-part1/にある作品に基づいている。
▼kifファイルの再生方法▼ Androidの方は「Kifu for Android(無料版)」で再生する事ができます。 iPhoneの方は『kifu for iPone』で再生する事ができます。 |
◆対石田流「鏡の左早繰り銀」&xaby角戦法 記事一覧
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