「誰も知らない次の一手」問題図3:答え『王手が生じない!炸裂▲5三歩成!』


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<第3問 問題図へ戻る。


◆「誰も知らない次の一手」問題図3の解説『王手が生じない!炸裂▲5三歩成!』

下記 問題図での
先手の正解手はどちらなのでしょうか?

【問題図は38手目△4五歩まで】
1:▲5三歩成 2:▲3三角成

答えは…1の▲5三歩成!(下記 正解図)と歩を成る手。

【正解図は39手目▲5三歩成まで】
次に▲5二とが狙い。後手の美濃を削る痛打。

先手の狙いは上記 正解図から▲5二とと金を取り、
次に▲6一とと入った後に生じる
角交換後に▲7一角 △9二玉 ▲9三金 △同桂 ▲8二金までの詰みです。

この手順こそが
先手の「▲7八金型天守閣囲い」だけが持つ
一撃必殺の攻めなのです。

正解手以下の手順を並べる前に
まずは問題図▲3三角成2の失敗手の変化を解説しましょう。

 


 


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◇失敗手:2の▲3三角成「実は悪手ではない。▲5五銀~▲6四銀~▲5三歩成でゆっくり5筋突破ができる先手有利。

では問題図再掲載し、
2の▲3三角成がなぜ失敗手なのか説明しましょう。

【再掲載 問題図は38手目△4五歩まで】
ここで▲3三角成と角を成る手の解説。

上記 再掲載 問題図から
▲3三角成(下記 失敗1図)と角を成る手がもう一つの選択肢でした。

【失敗1図は39手目▲3三角成まで】
悪手ではないが、正解手に劣る一手。

これは前回の第2問で解説した通り、
先手は自分から角交換をする事で▲8七玉型の天守閣囲いの形を維持するのが目的の手です。

先手の▲3三角成(上記 再掲載 正解図)△同桂と取る手は▲5三歩成があるため、
以下後手は△3三同飛と取る一手です。

 

この手…上記 失敗1図▲3三角成自体は悪手になる事は少ないのですが、
先手の▲7八金型天守閣囲いでは単なる一手損になる
次善手以下の手になりがちな一手です。

特に今回の正解手順と比べてみるとわかるのですが、
5筋へ攻め込むタイミングを遅らせてしまった
正解手にやや劣る一手なのです。

(なおこの手順自体は悪手ではないので、
今回は失敗手ですが、落ち込まず
実戦では読む有力手の一つとして
しっかり頭に入れておこう。)

 


 


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下記失敗1図再掲載して、以下の手順を並べてみましょう。

【再掲載 失敗1図は39手目▲3三角成まで】
以下は第2問で見た手順とほぼ同じ形。

 

・再掲載 失敗1図からの指し手

△同飛 ▲5五銀 △4三銀 ▲6四銀

(失敗図)≫ 
↑≫の付いた青文字を押すと動く盤面で再生

【失敗図は43手目▲6四銀まで】
次の▲5三歩成があり先手有利…だが。

失敗1図から先手の▲3三角成
後手は△同飛と取り、5三地点に飛車を利かせる事で受けます。
以下▲5五銀と出て、次に▲4四銀を狙いますが
後手は△4三銀(▲4四銀を消す。)と引く手に
▲6四銀(上記 正解結果図)で、
歩を取りながら次に▲5三歩成を狙う事ができる先手有利となりました。

(*の付いた青色の文字*を押すと解説が表示されます。)

…なのですが、上記 正解結果図*問題図から▲5三歩成*の手順と比べると
後手玉へ詰め寄る事ができておらず
やや攻めが遅い、決め時を逃した次善手なのでした…。

【再掲載 失敗1図は39手目▲3三角成まで】
着実な攻めなのだが、正解手よりやや遅い。

 

★問題図の失敗手▲3三角成の変化 まとめ

問題図から▲3三角成とする手は以下△同飛 ▲5五銀~▲6四銀(▲4四銀)の中央突破が狙いで、着実に5筋を突破できる先手有利。だが、正解手よりも攻めの速度が劣る次善手。


 


 


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◇正解手:1の▲5三歩成「後手から△8八角成~△4四角が生じない。これが▲7八金型天守閣囲いの長所。」

問題図再掲載し、
1の正解手▲5三歩成の解説。

ここから先手の一気の攻めが炸裂します。

【再掲載 問題図は38手目△4五歩まで】
ここで▲5三歩成が正解。その意味は?

ここで▲5三歩成(下記 再掲載 正解図)と歩を成る手が正解手。

【再掲載 正解図は39手目▲5三歩成まで】
今度は△8八角成~△4四角がない。

前回の第2問の答えで解説した、
上記 再掲載 正解図△8八角成▲同銀と取ってしまえば
後手から△4四角王手で5三のと金を取る受けが生じません。

この後手からの△8八角成~△4四角の受けを消す事で
強引な攻め合いの変化を成立させてしまうのが
本戦法「▲7八金型天守閣囲い」の狙いなのです。

(第1問で解説した▲5八飛の筋を作るための▲4九金保留型。
今回の▲5三歩成を成立させるための▲7八金型の天守閣囲い。
この二つの筋を無駄なく序盤の駒組みへ組み込めるため、
本戦法「▲7八金型天守閣囲い」はとても攻撃的な戦法なのである。)

 


 


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よって下記 再掲載 正解図から王手で受ける事ができないので
以下攻め合いを狙ってきますが…。

【再掲載 正解図は39手目▲5三歩成まで】
以下攻めあう事になるが…。

 

・再掲載 正解図からの指し手

8八角成 ▲同銀 △4六歩 ▲5二と!

(正解結果図)≫ 
↑≫の付いた青文字を押すと動く盤面で再生

【正解結果図は43手目▲5二とまで】
次に▲6一と~▲7一角があり先手有利。

正解図から△8八角成~△4六歩と後手は攻め合いを狙ってきますが、
先手は強く▲5二と!(上記 正解結果図)まで進み
次に▲6一とと入った後に生じる
▲7一角 △9二玉 ▲9三金 △同桂 ▲8二金までの詰めろがあり先手有利となります。

上記 正解結果図から後手は△4七歩成としても、
先手の囲いは8八・7八へ金銀を先逃げしている
「▲7八金型天守閣囲い」なので何一つ恐れる事なく
後手の△4七歩成には▲6一とと踏み込んで先手勝ちとなります。
(このと金攻めに強いのが▲7八金型天守閣囲いの特性。
『▲7八金型天守閣囲い Part1の記事』で詳しく解説しています。)

 


つまり問題図での正解手
後手の5筋を一直線に食い破り、
相手の美濃囲いへの詰めろも狙える
1の▲5三歩成(下記 再掲載 正解図)なのでした。

【再掲載 正解図は39手目▲5三歩成まで】
一直線に攻め合いを目指す必殺手。

 

★問題図の正解手▲5三歩成の変化 まとめ

問題図から▲5三歩成とする手は、次に▲5二と~▲6一とで角交換から▲7一角の詰めろ狙いの先手有利。問題図で▲3三角成とする手より攻めが早い最善手。


 


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◆次の問題(4問目)へチャレンジする

【再掲載 正解結果図は43手目▲5二とまで】
次問はここから一手進んだ局面。

上の局面から
△同飛と進んだ局面が次問。


・次の問題(4問目)へチャレンジする

・誰も知らない次の一手 問題リストへ戻る


 

 


◆この問題を解説している「第1回 誰も知らないマイナー戦法」『▲7八金型天守閣囲い』の記事を読む

今回の問題は当ブログで紹介している
「第1回 誰も知らないマイナー戦法『▲7八金型天守閣囲い』」(クリックでリンク先へ移動。)の定跡解説記事より
抜き出したものです。

本戦法を詳しく知りたい方は
下記の記事をご覧ください。


◇伝説の囲い『▲7八金型天守閣囲い』Part2:駒組み編

【伝説の囲い『▲7八金型天守閣囲い』】
今回の手順は下記記事の変化手順で解説。

◆今回の問題図の部分解説はこちら◆
(↑定跡解説記事の変化へ直接移動します。)


『▲7八金型天守閣囲い』の定跡解説を最初から読みたい方は↓こちら。
誰も知らないマイナー戦法 ▲7八金型天守閣囲い Part2の記事を最初から読む。

 

 


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