対抗形で「悪魔の裏跳ね」の交換は振り飛車の得! 実戦譜解説

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◆「悪魔の裏跳ね」って? 「天使の跳躍」の対となる手筋

今回は「悪魔の裏跳ね」の手筋について紹介します。
"悪魔"とはえらく物騒な名前ですが、これは一体?

その前にまず「天使の跳躍」の手筋を紹介しないと始まりませんね。

両方とも桂馬の手筋なのですが、一体どんな手筋なのでしょうか?

 

 


◇「天使の跳躍」ってどんな手筋?

桂馬が中央に向かって三段跳ねをした事をさす手筋です。

参考に「将棋世界2010年 9月号」で解説していた、勝又清和先生の文章を引用します。

桂が中央に向かって三段跳ねしたとき、プロはそう呼んで素直に喜びます。 居飛車の右桂なら▲3七桂~▲4五桂~▲5三桂(成でも不成でも)ですね。
これが「天使の跳躍」と呼ばれるのは、こんな理想的な使い方は滅多に実現しないからなのですが、

 

・出版社:毎日コミュニケーションズ
『将棋世界 2010年 09月号』(2010年 8月発行) P67
勝又清和『突き抜ける!現代将棋』より引用。

*将棋世界 2010年 09月号 [雑誌]* 定価:750円

2010年8月3日発売。 「振り穴王子」好発進! 特集「引退・有吉道夫九段」ほか。 講師:勝又清和『突き抜ける!現代将棋』第12回「大棋士達の名桂」で桂の戦術定跡を振り返っている。谷川の桂(▲6六桂)、米長の桂(▲3六桂)、羽生の桂(△6五桂~△4五桂・△8六桂)、佐藤の桂(▲7五桂・△3七桂成~△2七桂)、丸山の桂(▲8三桂)、森内の桂(▲5八桂)など大棋士の桂馬で将棋史を振り返っている。

つまり下のA図のような形から▲2九桂が▲3七桂~▲4五桂~▲5三桂と跳んでいく事「天使の跳躍」と言うのです。

【A図は26手目△5五歩まで】
ここから2九の右桂が綺麗に「天使の跳躍」

・A図からの指し手

▲3七桂 △3五歩  ▲4五桂    △4二角

▲5四歩 △同銀      ▲5三桂成(B図)

【B図は35手目▲5三桂成まで】
△5三同角なら▲2四飛の十字飛車!

 

知人の実戦譜から拝借。
▲3七桂~▲4五桂と跳び、▲5四歩~▲5三桂成!
まさしく「天使の跳躍」の手筋です。

ここまで決まる事は滅多にありませんが、あまりの華麗さに「天使の跳躍」と名づけられています。
そう呼びたくなるほど、華麗な手筋ではありませんか?

 

 


△では「悪魔の裏跳ね」って何なの?

今回紹介する「悪魔の裏跳ね」とは「端に桂馬を跳ねて活用する手筋」です。
命名者は勝又清和先生です。

先ほどと同じ、勝又先生が『将棋世界2010年 9月号』で連載していた「突き抜ける!現代将棋」でこんな文章があります。

(第8図は▲9七桂まで)
(中略) 

第8図は大事な両桂を裏跳ねした珍しい将棋。 深浦はこの裏桂を両方ともさばいて完勝、棋聖戦の挑戦者になったのです。 渡辺にとっては「悪魔の裏跳ね」に見えたことでしょう。

 
・出版社:毎日コミュニケーションズ
『将棋世界 2010年 09月号』(2010年 8月発行) P67
勝又清和『突き抜ける!現代将棋』より引用。

働きの良い中央に跳ぶ「天使の跳躍」と違い、働きの悪い端へ跳ぶから「悪魔の裏跳ね」。
面白いネーミングですよね。

 

★「悪魔の裏跳ね」とは何なのか?

・桂馬を働きの悪い端へ跳ぶ事を「悪魔の裏跳ね」と言う。

さて前置きが長くなりましたが、今回はこの「悪魔の裏跳ね」を使った実戦例を紹介します。

 


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◆(25手目)対抗形での「悪魔の裏跳ね」は振り飛車が得! 実戦解説

それでは友人の実戦譜から解説。

【第1図は25手目▲8八銀まで】
居飛車は穴熊。 ここで振り飛車に動く手が。

・第1図からの指し手

△1三桂!(第2図)

【第2図は26手目△1三桂まで
端に桂を跳ねた。これが「悪魔の裏跳ね」

この△1三桂「悪魔の裏跳ね」の手筋です。
次に△2五歩 ▲同歩 △同飛から飛車交換の筋を狙っています。

一例ですが、後手が第2図▲7九金なら △2五歩 ▲同歩 △同飛 ▲2六歩 △2四飛 ▲6七金 △4四角(変化A結果図) と飛車交換を挑んで後手有利です。

【変化A結果図は34手目△4四角まで】
△2六飛からの歩得&飛車交換で振り飛車有利。

捌き合いになった時、振り飛車側の左桂だけ使えているのが大きいのです。

"振り飛車側が普段使いにくい左桂を何とかして使う"。
これが「悪魔の裏跳ね」の使い方です。 (本当は相掛かり戦が由来の端桂ですが、詳しくは『将棋世界2010年 9月号』を。)

★「悪魔の裏跳ね」 この実戦のポイント

△1三桂と跳ねれば、次に△2五歩▲同歩△同飛~△4四角振り飛車捌ける。

 


△(変化26手目)「悪魔の裏跳ね」で振り飛車は桂馬を活用! 桂頭は大丈夫?

【再掲載 第2図は26手目△1三桂まで】
ここで気になる居飛車の手がある。

さて△1三桂と跳ねれば、次に△2五歩の飛車交換狙いはあります。
ですが一番気になる変化があります。

それは△1三桂に対して▲1五歩(変化B1図)と桂頭を攻めてくる手です。
一見これで△1三桂を咎めていそうですが、変化B1図振り飛車側に返し技がありました。

【変化B1図は27手目▲1五歩まで】
弱くなった桂頭を狙うのは当然だが?

・変化B1図からの指し手

△同歩 ▲同香 △2五歩!(変化B2図)

【変化B2図は30手目△2五歩まで】
次の△1五角の香取り&△2六歩が強烈!

△2五歩の一手が綺麗なカウンター!
次に△1五角△2六歩の2つの狙いを居飛車側は受けられません。

 

この変化B2図から、少し変化はありますが全部振り飛車が良くなります。
少しだけ長くなりますが、お付き合いください。

解説が長くなるので、変化B2図再掲載。

【再掲載 変化B2図は30手目△2五歩まで】
ここからどうやっても振り飛車有利。

1.変化B2図から▲2五同歩△1五角で香得の振り飛車有利。

2.他に変化B2図▲1三香成△同香で振り飛車の桂香が捌ける。 端も破れて、振り飛車有利。

3.変化B2図▲1四歩△2六歩(変化B2結果図1) と取り込み、次の△2七歩成が厳しい。 振り飛車有利。

【変化B2結果図1は32手目△2六歩まで】
次の△2七歩成が厳しい。振り飛車有利。

以下▲1三歩成△2五飛と避けて、やはり△2七歩成を受ける手がありません。

 


変化B2図(再掲載)に戻り、最後の変化。

ここで最後に気になるのは、再掲載 変化B2図▲1八飛の変化。
一瞬端が破られそうで気になりますが、これも数手で振り飛車が良くなります。

【再掲載 変化B2図は30手目△2五歩まで】
▲1八飛から端を破られそうだが?

・再掲載 変化B2図からの指し手

▲1八飛 △2六歩 ▲1三香成 △2五飛(変化B2結果図2)

【変化B2結果図2は34手目△2五飛まで】
端攻めをかわし、次に△2七歩成を狙って優勢。

▲1三香成には△2五飛とかわし、次に△2七歩成~△3八とを狙えば振り飛車優勢です。
こうなれば居飛車の銀・桂が取れる形なので駒損もなく、飛車を成り込めそうです。

このような感じで「悪魔の裏跳ね」△1三桂▲1五歩の桂頭攻めは効果がないようです。

 

●△1三桂に▲1五歩の変化まとめ。

△1三桂に対しては▲1五歩△同歩▲同香△2五歩(再掲載 変化B2図)カウンターが決まる!

【再掲載 変化B2図は30手目△2五歩まで】 
カウンター炸裂!ここから4つの変化がある。

対して居飛車側には4つの変化があるが・・・。

1.▲2五同歩△1五角香得。

2.▲1七香成△同香端の逆襲。

3.▲1四歩△2六歩で、次の△2七歩成が炸裂!

4.▲1八飛にも△2六歩で、2筋突破が確定!


 


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◇(27手目)居飛車も「悪魔の裏跳ね」で対抗! 振り飛車十分の理由は?

色々考えたものの、△1三桂(再掲載 第2図)を咎めるのは簡単ではないようです。

そこで本譜に戻り、再掲載 第2図から居飛車側が実戦で指した手は・・・。

【再掲載 第2図は26手目△1三桂まで】
▲1五歩は難しそうだ。 居飛車が指した手は?

・再掲載 第2図からの指し手

▲1七桂(第3図)

【第3図は27手目▲1七桂まで】
居飛車側も"悪魔の裏跳ね"で対抗。

居飛車も▲1七桂「悪魔の裏跳ね」で対抗。
桂の裏跳ね同士のぶつかり合いという変わった形になりましたが・・・。

 

実は居飛車対振り飛車での「悪魔の裏跳ね」の交換は振り飛車側が得なのです。

 

Q.どうして「悪魔の裏跳ね」の交換は振り飛車が得なの?

居飛車は、本来▲3六歩~▲3七桂と右桂を簡単に使える事が主張の戦法。

対する振り飛車は、桂馬を使おうにも△3三角が邪魔で△3三桂と跳ねられず、左桂を使うのが難しい戦法。

振り飛車戦法で左桂が簡単に使える事は少なく、左桂が使えれば優勢と言われる理由なのです。

この▲1七桂・△1三桂の交換は「居飛車の使いやすい右桂を、振り飛車の使いにくい左桂と同じ働きにできた」という事なのです。

「悪魔の裏葉ねの交換は振り飛車側が得!」の理由がお分かりいただけたでしょうか?

「居飛車の使いやすい右桂と振り飛車の働きにくい左桂を同等の働きにできるので、振り飛車有利!」

 

 


◇(27手目)振り飛車の駒が働いてきた。 居飛車の右桂は使いにくいまま。

では実戦に戻って第3図(再掲載)。
実戦の進行も「悪魔の裏跳ね」の交換が生きた展開となります。

【再掲載 第3図は27手目▲1七桂まで】
裏跳ね同士の交換は振り飛車が得! どうする?

・再掲載 第3図からの指し手

△4四歩 ▲7九金     △4三銀 ▲6八金寄

△4五歩 ▲7八金寄 △4二飛 ▲5六歩

△5四銀 (第4図)

【第4図は36手目△5四銀まで】
飛角銀の働きが良くなってきた。

振り飛車側は△4四歩~△4三銀と左銀を攻めに使えるように持っていきます。

注目すべき点は△4二飛。
この瞬間、振り飛車側の2筋に隙があるようですが?

 

 


△(変化36手目)居飛車が2筋突破を狙ってきたら? 桂交換になるが・・・

実戦は第4図で居飛車側が▲5七銀と指しましたが、第4図(再掲載)▲2五歩と仕掛けてくるとどうなるのでしょうか?

【再掲載 第4図は36手目△5四銀まで】
▲2五歩の仕掛けにはどうする?

・再掲載 第4図からの指し手

▲2五歩 △同歩    ▲同桂 △同桂

▲同飛     △2四歩(変化C1図)

【変化C1図は40手目△2四歩まで】
居飛車側は2筋交換ができたが?

居飛車側が2筋を攻めてきたら、手順に左桂が捌けて良しです。

大人しく△2四歩と打った変化C1図
ここで居飛車側はどうするか?

 

手順の解説が長くなるので、変化C1図再掲載します。

【再掲載 変化C1図は40手目△2四歩まで】
ここから飛車をどこに逃げるか。

1.変化C1図▲2九飛には、△5四銀から△4六歩と4筋の歩を切って振り飛車不満ないでしょう。
  2筋の歩と4筋の歩では、玉に近い方の歩を手持ちにしている振り飛車側が得です。

2.他に変化C1図から▲2六飛は、△2二飛から次に△2五歩を狙って振り飛車ペースです。

よって変化C1図では▲4五飛(変化C2図)と歩を取るぐらいですが。

【変化C2図は41手目△4五飛まで】
ここで▲4五飛と歩を取ってきたら?

・変化C2図からの指し手

△5四銀 ▲4二飛成 △同金(変化C結果図)

【変化C結果図は44手目△同金まで】
次に△4九飛の打ち込みのある振り飛車有利。

意外にも振り飛車陣は、飛車を打たれても駒を取られる心配はありません。
振り飛車側は次に△4九飛銀香両取りがあります。

居飛車側も穴熊なので容易ではありませんが、振り飛車も戦えるでしょう。
そして居飛車側はこの変化を選ぶべきだったのかもしれません。

 


 


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◇(36手目)△4四角から捌き合い開始! 居飛車穴熊に勝負!

第4図再掲載。
実戦の進行は居飛車側は2筋から動かず、▲5七銀から駒組みを進めました。

【再掲載 第4図は36手目△5四銀まで】
実戦は居飛車側がゆっくり進めた。

・再掲載 第4図からの指し手

▲5七銀 △3二金 ▲3六歩 △4一飛

▲8六角 △4四角 (第5図)

【第5図は42手目△4四角まで】
▲8六角には△4四角がピッタリ。

振り飛車側の△3二金は居飛車の2筋突破に備えた手で、流石に2筋が薄すぎると判断。
さらに振り飛車側は△4一飛と下段飛車に引きます。
この手も実は間接的に2筋を受けた手。 (具体的な受け手順は後の第6図でわかります。)

居飛車側の▲8六角の揺さぶりに△4四角と出たのが再掲載 第5図です。

【再掲載 第5図は42手目△4四角まで】
△4二金~△3一飛があり後手不満なし。

再掲載 第5図の時点で振り飛車側に不満ありません。
居飛車側は2筋から動けず、逆に振り飛車側は△4二金~△3一飛~△3五歩と仕掛ける手があります。

穴熊囲いが出た当初は「攻め駒が少ない甘い戦法」と言われていました。
その悪い部分が出てしまった局面です。

居飛車側は囲いに駒が偏り、右辺で手を作る事ができません。

 

 


◇(42手目)痺れを切らした居飛車側が2筋から勝負!

第5図(再掲載)から居飛車側はジリ貧と見て、▲2五歩から仕掛けてきます。
しかし振り飛車側が△4四角型に組んだ後では、完全に悪手の烙印を押されてしまうのでした

【再掲載 第5図は42手目△4四角まで】
▲2五歩と仕掛ける。△4四角が生きる。

・再掲載 第5図からの指し手

▲2五歩 △同歩 ▲同桂 △2一飛(第6図)

【第6図は46手目△2一飛まで】
相手の手に乗って飛車と裏桂を捌く。

▲2五歩 △同歩 ▲同桂△2一飛と相手の力を利用するのが振り飛車らしい一手。
次に△2五桂と桂をタダで取る手が厳しすぎます。

上記第6図で、もし3三地点に振り飛車の角がいたなら▲3三桂成で角を取って居飛車側悪くなかったのですが、その角も今は4四地点に逃げています。

完全に居飛車の攻めが空を切った局面。
ここから2筋の攻防はどうなるのでしょうか?

 

第6図再掲載。

【再掲載 第6図は46手目△2一飛まで】
2筋の攻防はどうなる?

・再掲載 第6図からの指し手

▲2六歩 △2五桂 ▲同歩 △2六歩(第7図)

【第7図は50手目△2六歩まで】
左桂を捌いて△2六歩のカウンター炸裂!

桂取りを防ぐ▲2六歩は当然の一手ですが、以下△2五桂 ▲同歩となった居飛車の形は▲2五歩型が飛車先を止めて重い。
それにトドメを刺すような△2六歩(第7図)のカウンターで、次の△2五飛が厳しすぎます。

振り飛車側は△1三桂「悪魔の裏跳ね」から、鮮やかな手順でリードを奪いました。

 


 


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◇(65手目)捌いて振り飛車満足! 慌てず "大山流"の落ち着いた金寄り

第7図から将棋は進み、実戦は第8図(下記)まで進行。
既に振り飛車側が大優勢になりましたが、第8図次の一手が印象に残った一手。

ここがこの勝負の一番の見どころです。

【第8図は65手目▲2九飛まで】
▲2三歩成が見えるが、ここで渋い一手が。

・第8図からの指し手

△5二金寄!▲2三歩成 △5七と ▲2二と

△4一飛!    (第9図)

【第9図は70手目△4一飛まで】
左金を玉に寄せ、飛車も4筋から活用!

第8図から△5二金寄落ち着いた実戦的好手!

普通なら第8図△5七とから銀当たりで素早く攻めたい所です。
それでも振り飛車側が優勢ですが、△4二金と△2一飛が使えていない遊び駒になるのが気になります。

 

第8図(再掲載)で他にここから考えられる変化は△3八と~△2四飛と2筋から飛車を活用する順ですが。

【再掲載 第8図は65手目▲2九飛まで】
ここで△3八と~△2四飛の2筋突破があるが?

・再掲載 第8図からの指し手

△3八と ▲5九飛 △2四飛 ▲4七銀!

△同馬    ▲5四飛 △同歩     ▲4二角成(変化F図)

【変化F図は73手目▲4二角成まで】
穴熊流の暴力で勝負される。

この変化は一例ですが、浮いた△4二金を取られてしまいます。

こうなっても振り飛車側有利でしょうが、わざわざ居飛車側に変な楽しみを与える必要はありません。

居飛車側の楽しみを消した好手が、第8図からの△5二金寄です。

大山康晴名人のような落ち着いた手で、勝負の途中で美濃囲いに金を寄せて負けない形を作る。 振り飛車党なら一度は真似してみたい手です。

 

そして△5二金寄にはもう一つの狙いがありました。(再掲載 第9図)

【再掲載 第9図は70手目△4一飛まで】
4筋の金を動かし、△4一飛が第二の狙い。

第9図△4一飛△5二金寄とした時のもう一つの狙い。

△4二金型のままでは金が邪魔で△4一飛の効果がありません。
金を5二に動かした効果で△4一飛が居飛車陣に直通します。

 

以下▲3二と・▲5五歩の変化の解説が長くなるので、第9図再掲載。

【再掲載 第9図は70手目△4一飛まで】
ここで▲3二と・▲5五歩には?

再掲載 第9図▲3二とには△4八飛成振り飛車優勢。
他に再掲載 第9図▲5五歩△5六と ▲5四歩 △同馬 として、次に△4八飛成△7四桂などわかりやすい手があり振り飛車優勢。

振り飛車陣は三枚美濃囲いの堅陣なので、そう簡単には崩れません。
攻め駒は△5七とが力を発揮しており、以下居飛車穴熊を剥がして振り飛車圧勝でした。(終盤図)

【終盤図は108手目△7七香まで】
美濃囲いが"穴熊に暴力"状態。

この将棋は△1三桂の「悪魔の裏跳ね」の手筋と、大山流の△5二金寄といった手がとても印象的でした。

 

「悪魔の裏跳ね」は意識するだけで、結構使える手筋なので皆さんも使ってみてはいかがでしょうか?

振り飛車党のあなたの新手筋として役立つことでしょう。

 

最後にもう一度「悪魔の裏跳ね」の手筋が登場した第2図再掲載しておきます。

【再掲載 第2図は27手目△1三桂まで】
「悪魔の裏跳ね」の手筋。▲1七桂なら大満足!


◆実戦譜再生

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◆「悪魔の裏跳ね」の手筋まとめ

1.端に桂を跳ねる手筋を「悪魔の裏跳ね」と言う。

2.居飛車対振り飛車での「悪魔の裏跳ね」は振り飛車の得。

3.左桂を捌いた後は美濃囲いを大切に使う。

 


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