「誰も知らない次の一手」問題図13:答え『と金の攻め合いは天守閣囲いが最も得意とする展開』


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◆「誰も知らない次の一手」問題図13の解説『と金の攻め合いは天守閣囲いが最も得意とする展開』

下記 問題図での
先手の正解手はどちらなのでしょうか?

【問題図は40手目△4七とまで】
1:▲5六飛 2:▲5三歩成

答えは…2の▲5三歩成(下記 正解図)
と金を5三へ成る手。

【正解図は41手目▲5三歩成まで】
5三へ歩を成る手が正解。

先手はここで▲5三歩成(上記 正解図)が正解。

先手は次に▲4三と~▲5二と~▲6一とで
後手玉へ一気に迫る手が真の狙い。

対する後手は△5八とと飛車を取っても、
先手玉が遠く迫る手が一切ないのです。

正解手以下の手順を並べる前に
まずは問題図▲5六飛1の失敗手の変化を解説しましょう。

 


 


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◇失敗手:1の▲5六飛「以下互いに最善を尽くし形勢は互角。先手は後手玉へ迫るチャンスを失う」

では問題図再掲載し、
▲5六飛がなぜ失敗手なのか説明しましょう。

【再掲載 問題図は40手目△4七とまで】
ここで▲5六飛と飛車を逃げる手の解説。

上記 再掲載 問題図から
▲5六飛
(下記 失敗1図)
狙われた飛車
を逃げる手がもう一つの選択肢でした。

【失敗1図は41手目▲5六飛まで】
実はチャンスを逃した一手。

しかしこの手は
悪くはないものの…
後手玉へ迫って勝つチャンスを逃した
緩い一手なのです。

 


 


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下記失敗1図再掲載して、以下の手順を並べてみましょう。

【再掲載失敗1図は41手目▲5六飛まで】
悪くはない手なのだが…。

 

・再掲載 失敗1図からの指し手

△5五歩! ▲4三銀成 △同金 ▲5五角

△4五銀!(失敗途中図)≫ 
≫の付いた青文字を押すと↑動く盤面で再生

【失敗途中図は46手目△4五銀まで】
以下形勢互角の押し合いになる。

(*の付いた青色の文字*を押すと解説が表示されます。)

問題図から▲5六飛*と逃げた手に、後手は△5五歩!*と打ってきました。
以下▲4三銀成の一手に△同金 ▲5五角
△4五銀!*(上記 失敗途中図)と進み
そこから▲4四歩 △3三金 ▲2六飛
△5四銀*(下記 失敗図)・・・と返す手があり、形勢は互角なものの後手陣を攻め切る事ができず先手失敗です。

【失敗図は50手目△5四銀まで】
以下▲7七角 △5五歩で後手受けきり。

上記 失敗図から先手は▲7七角と引く一手ですが、
以下後手は△5五歩と打ち、次に△4四金~△4八歩と3筋から飛車を使う手があり
先手が攻められる将棋となってしまいます。

正解手なら、先手は後手陣へ一気に攻め込む事ができたのですが
この手順だと逆に反撃を食らってしまうのでした…。

 


 


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なので問題図で1の▲5六飛(下記 再掲載 失敗1図)は
相手に反撃を許し、後手陣へ攻め込むチャンスを逃した
不正解手なのでした

【再掲載 失敗1図は41手目▲5六飛まで】
攻めのチャンスを逃してしまった。

 

★問題図の失敗手▲5六飛の変化 まとめ

問題図から▲5六飛は、以下△5五歩~△4五銀!から先手の飛車角を狙われ反撃されてしまい攻めのチャンスを逃す。


 


 


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◇正解手:2の▲5三歩成「互いにと金を作るが…後手だけ先手玉へと金を迫る手がなく先手有利」

問題図再掲載し、
2の正解手▲5三歩成の解説。

【再掲載 問題図は40手目△4七とまで】
ここで▲5三歩成が正解。その意味は?

ここで▲5三歩成(下記 再掲載 正解図)
5三へ歩を成る手が正解手。

【再掲載 正解図は41手目▲5三歩成まで】
飛車取りを無視して5三へ歩を成った!

この手の意味は次に▲4三との飛角両取りを狙いつつ、
以下互いにと金での攻め合いになった時に
▲5二と~▲6一と~▲7一銀で後手陣を一気に寄せてしまう狙いです。

 


 


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下記 再掲載 正解図から局面を進めましょう。

【再掲載正解図は41手目▲5三歩成まで】
囲いの特性を理解しきった一手!

 

・再掲載 正解図からの指し手

△5八と ▲4三と!

(正解結果図)≫ 
↑≫の付いた青文字を押すと動く盤面で再生

【正解結果図は44手目▲4三とまで】
次に先手は▲5二と~▲6一とが厳しい。

問題図からの▲5三歩成に後手は△5八とと飛車を取ってきました。
それに対し▲4三と!(上記 正解結果図)と金を取った手が急所。
この手は飛角金取りを見せつつ、次に▲5二と~▲6一とと後手玉への寄せを狙った厳しい手です。

この上記 正解結果図では、
△4九と△6九と2つの手が有力な手ですが…。
なんとどちらも先手が有利になるのです。
さっそく変化を見ていきましょう。

まず1つ目上記 正解結果図から△4九とと4九の金を取ってくる変化。
上記 正解結果図*から△4九と*には、以下▲5二と* △同金 ▲4一銀 △3八飛成 ▲5二銀成*と進み、金得しながら急所に成銀を作った先手優勢です。

残った2つ目の変化は上記 正解結果図から△6九とと先手玉にと金を近寄せる手。
これは本筋のようですが、先手は▲7八金型なので取られる金がおらず、後手の攻めが一手遅くなり後手不利になるのです。
具体的に上記 正解結果図*から△6九と*は、以下▲5二と* △同金 ▲4一銀 △7九と ▲同金*と進み、後手の飛車金両取りが残ったままなので先手有利です。

なので、
あなたが選んだ2の▲5三歩成正解手なのでした。

 


 


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よって問題図での正解手
先手に反撃の駒を与えず手堅く受ける
2の▲5三歩成(下記 再掲載 正解図)なのでした。

【再掲載 正解図は41手目▲5三歩成まで】
なおこの話には続きがあり…。

 

★問題図の正解手▲5三歩成の変化 まとめ

問題図から▲5三歩成は、次に▲4三と~▲5二と~▲6一とから金銀を取って寄せる手がある後手有利。ただしこの▲7八金型天守閣囲いでのみ成立する一手なので注意。


 


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△もしもこれが▲7八銀型天守閣美濃なら?▲5三歩成だと6九の金を取られ先手不利

なお、これも大事な話なのですが
もしこの先手の囲いが▲7八金型天守閣囲いではなく
▲7八銀型天守閣美濃囲い(下記 参考図)なら、最善手は▲5三歩成ではなくなってしまうのです。

【参考図は40手目△4七とまで】
▲7八銀型天守閣美濃の例。

もし上記 参考図▲5三歩成と指すと、以下△5八と ▲4三との時に
△6九とと先手の金が取られてしまい
以下後手から△6八と・△7九金打と迫る手が生じて先手玉が一気に危なくなってしまいます。

詳しくは下記の▲7八金型天守閣囲いの解説記事で詳しく解説していますのでご覧ください。


誰も知らないマイナー戦法 ▲7八金型天守閣囲い Part8

つまり今回の下記 再掲載 第13問の問題図▲5三歩成が成立した最大の理由は…。

【再掲載 問題図は40手目△4七とまで】
伝説の囲いだから先手有利になったのだ。

上図から後手が△5八と~△6九とと攻め合いを狙おうとした時に
取られてしまうはずの先手の6九の金が▲7八金と事前に逃げている囲いなので
先手だけ金を取られる心配がなく自玉の囲いが薄くならないため、
堂々と▲5三歩成と攻め入る事ができるのでした。

これが伝説のマイナー囲い「▲7八金型天守閣囲い」が
「▲7八銀型天守閣美濃」より大きく優れている点なのでした。

ただ変わった形の囲いというわけではなく
後手へ急戦を仕掛けるという点にだけ絞れば
通常の▲7八銀型よりも攻め合う変化で優位な手が生じやすい
のが
本戦法の最大の特徴なのでした。

攻め棋風の方はぜひ一度本戦法を使ってみると良いでしょう。

 


 


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◆この問題を解説している「第1回 誰も知らないマイナー戦法」『▲7八金型天守閣囲い』の記事を読む

今回の問題は当ブログで紹介している
「第1回 誰も知らないマイナー戦法『▲7八金型天守閣囲い』」(クリックでリンク先へ移動。)の定跡解説記事より
抜き出したものです。

本戦法を詳しく知りたい方は
下記の記事をご覧ください。


◇伝説の囲い『▲7八金型天守閣囲い』Part8:▲7八銀型天守閣美濃との違い

【伝説の囲い『▲7八金型天守閣囲い』】
今回の手順は下記記事の変化手順で解説。

◆今回の問題図の部分解説はこちら◆
(↑定跡解説記事の変化へ直接移動します。)


『▲7八金型天守閣囲い』の定跡解説を最初から読みたい方は↓こちら。
誰も知らないマイナー戦法 ▲7八金型天守閣囲い Part8の記事を最初から読む。

 

 


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