「誰も知らない次の一手」問題図8:答え『一局に一度だけ使える"天守閣の小部屋"の手筋』
スポンサーリンク
目次
◆「誰も知らない次の一手」問題図8の解説『一局に一度だけ使える"天守閣の小部屋"の手筋』
下記 問題図での
先手の正解手はどちらなのでしょうか?
【問題図は60手目△7五桂まで】
1:▲同歩 2:▲9七玉
答えは…2の▲9七玉(下記 正解図)と
端へ玉を逃げる手。
【正解図は61手目▲9七玉まで】
▲9七玉と端へ玉を寄る手が正解。
先手はここで▲9七玉(上記 正解図)が正解。
この手は8七地点に▲8八銀・▲7八金が効いている事を生かし
次に絶対詰まない形を一度だけ作る
「▲7八金型天守閣囲い」だけで使える終盤の手筋です。
正解手以下の手順を並べる前に
まずは問題図で▲同歩の1の失敗手の変化を解説しましょう。
スポンサーリンク
◇失敗手:1の▲同歩「痛打!左美濃崩しの定跡手『△6五角!』」
では問題図を下へ再掲載し、
1の▲同歩がなぜ失敗手なのか説明しましょう。
【再掲載 問題図は60手目△7五桂まで】
ここで▲同歩と取る手の解説。
上記 再掲載 問題図から▲同歩(下記 失敗途中1図)と
7五の桂を取る手がもう一つの選択肢でした。
【失敗途中1図は61手目▲同歩まで】
先手は桂を取ったが…。
ここから後手の攻めを凌ぐ事ができれば、
先手は次に▲8二角成の詰みがあるので
先手勝ちとなるのですが…。
しかし…。
残念ながら後手には
先手玉を攻めつつこの必至を解消する
大逆転の手順があるのです。
スポンサーリンク
下記へ失敗途中1図を再掲載して、以下の手順を並べてみましょう。
【再掲載 失敗途中1図は61手目▲同歩まで】
ここから先手玉を崩す必殺手がある。
△6五角!(失敗途中2図)≫
≫の付いた青文字を押すと↑動く盤面で再生。
【失敗途中2図は62手目△6五角まで】
この手が痛打。受け間違えると詰む。
(*の付いた青色の文字*を押すと解説が表示されます。)
後手は持ち駒の角を手に取り△6五角!と打ってきました。
この上記 失敗途中2図の△6五角*に▲9七玉*と逃げる手は△9八金 ▲同香 △同龍*までの詰み。
ほかに上記 失敗途中2図*で▲7七玉*は△7六銀 ▲6八玉 △5八金* ▲同玉 △7八龍* ▲6八金 △6七銀成 ▲4九玉 △3八金* ▲5九玉 △6八龍*までの詰み。
スポンサーリンク
△失敗手:1の▲同歩以下の手順1「▲7六桂と受ける一手だが…」
よって再掲載 失敗途中2図*から先手は▲7六桂(下記 失敗途中3図)と受ける一手ですが…。
以下の手順を進めてみましょう。
【失敗途中3図は63手目▲7六桂まで】
ここで後手は強く攻めてくる。
△同角(失敗途中4図)≫
≫の付いた青文字を押すと↑動く盤面で再生。
【失敗途中4図は64手目△同角まで】
この角を取ると先手詰む。
先手の▲7六桂の合駒に後手は△同角と取ってきます。
この角に先手が受け間違えると即詰みとなります。
上記 失敗途中4図*で▲同玉*は△7八龍* ▲7七銀 △6五銀 ▲8五玉 △8四金*までの詰み。
つまり上記 失敗途中4図で先手は▲同玉と取る事ができないのです。
(この△7五桂から7六へ先手玉を送って△7八龍と入る手筋は、
本戦法ではよく出る手筋なので警戒しておきましょう。)
スポンサーリンク
△失敗手:1の▲同歩以下の手順2「先手の必至を外す△3五歩!これにて大逆転!」
下記へ失敗途中4図を再掲載し、
ここから残った▲7七玉と逃げる手を解説します。
これも先手玉は詰みはしませんが、なんと後手玉の必至を外す手があるのです。
【再掲載 失敗途中4図は64手目△同角まで】
残る手は▲7七玉だが…。
▲7七玉 △6五桂 ▲6六玉 △5七銀
▲5五玉 △4六銀不成 ▲同玉 △4九龍
▲3六玉 △3五歩!(失敗途中5図)≫
≫の付いた青文字を押すと動く盤面で再生。↑
【失敗途中5図は74手目△3五歩まで】
この手に先手は▲同角成しかない。
長手順進みましたが、ここに進むまでに本手順以外の手を指すと
全て先手玉は詰んでしまいます。(長くなるので解説は割愛。)
よって上記 失敗途中5図までは一直線。
この△3五歩!(上記 失敗途中5図)が決め手で、
なんとこの歩を取らないと先手玉は詰むのです。
上記 失敗途中5図から▲2七玉は△2九龍 ▲2八銀 △3六金 ▲1六玉 △2四桂 ▲同歩 △2六金 ▲同玉 △2八龍 ▲2七桂 △2五銀打 ▲1五玉 △1四歩までの詰み。
ほかに上記 失敗途中5図で▲3七玉は△3九龍 ▲4七玉 △5七金 ▲4六玉 △3六龍 ▲5五玉 △5六龍 ▲4四玉 △4五龍までの詰み。
これも細かい変化は割愛しますが、
要は下記 再掲載 失敗途中5図で先手は玉を逃げると詰んでしまうのです。
【再掲載 失敗途中5図は74手目△3五歩まで】
先手は▲同角成以外指す手がない。
よって上記 再掲載 失敗途中5図から
先手は▲同角成と7一の角で歩を取る一手ですが。
以下△同銀 ▲同飛成(失敗図)で
先手の▲7一角が消えてしまい
後手玉の必至は外れてしまいました。
【失敗図は77手目▲同飛成まで】
後手玉への必至が外れ形勢逆転。
変化が膨大で読むのが大変でしたでしょうが、
今回の問題図で▲同歩と取ると
このように長手順で先手玉を引っ張り出して
後手玉の必至を外す手があるのでした。
以下後手玉に詰みはなく、
逆に先手玉が追われて寄せられるハメとなり
形勢は後手勝勢です。
スポンサーリンク
なので問題図で1の▲同歩(下記 再掲載 失敗途中1図)は
後手の必至を外してしまう不正解手なのでした。
【再掲載 失敗途中1図は61手目▲同歩まで】
以下△6五角で先手玉の必至が外れる。
・問題図から▲同歩とする手は、△6五角で以下先手玉を引っ張り出して後手玉の必至を外す手があり先手敗勢。
スポンサーリンク
◇正解手:2の▲9七玉「先手玉に即詰みはない。後手玉には必至がかかっており先手勝ちが確定。」
下へ問題図を再掲載し、
2の正解手▲9七玉の解説。
【再掲載 問題図は60手目△7五桂まで】
ここで▲9七玉が正解。その意味は?
ここで▲9七玉(下記 再掲載 正解図)と
端へ玉を寄る手が正解手。
【再掲載 正解図は61手目▲9七玉まで】
なんとこのと金は△同歩と取れない。
この手の狙いは、
先手玉はもう絶対に詰みはないので
次に必ず▲8二角成の詰みに打ち取る事です。
これが「▲7八金型天守閣囲い」で、一局に一度だけ使える手筋「天守閣の小部屋」の手筋です。
終盤戦で即詰みさえなければ勝てる状況で、▲9七玉と寄れば先手玉はまず詰む事はありません。
(ただし次に△7八龍で、以下△8七金からの即詰みが生じて受けなしになるため「一局に一度」しか使えない受けの手筋です。)
この正解図の▲9七玉*に△8七金*は▲同銀* △同桂成 ▲同金*で以下先手玉に詰みはありません。
ほかに正解図の▲9七玉*に△7八龍*も▲8二角成*までの詰みです。
スポンサーリンク
下記 再掲載 正解図から局面を進めましょう。
ここから後手は攻める手は厳しいので
△9三銀と受けるぐらいですが…。
【再掲載 正解図は61手目▲9七玉まで】
ここから後手は受けるぐらいだが。
△9三銀 ▲同角成 △同玉 ▲8二銀
△9二玉 ▲9三銀打 △同桂 ▲8一銀不成
(正解結果図)≫
↑≫の付いた青文字を押すと動く盤面で再生。
【正解結果図は69手目▲8一銀不成まで】
どう受けても後手詰み。先手の勝ち。
よって後手は正解図の▲9七玉には△9三銀と打って粘るぐらいですが、
これも受けなしで以下▲同角成から先手玉を詰ましにいって
上記 正解図の▲8一銀不成まで進み先手勝ちとなりました。
スポンサーリンク
よって問題図での正解手は
確実に一手だけ手を稼ぐ事ができる
最強の手筋「天守閣の小部屋」の
2の▲9七玉(下記 再掲載 正解図)なのでした。
【再掲載 正解図は61手目▲9七玉まで】
「天守閣の小部屋」の手筋。
・問題図から▲9七玉で先手玉が絶対詰まない形になる。後手玉は必至で、一方先手玉は詰まない。よって先手勝ち。
スポンサーリンク
◆次の問題(9問目)へチャレンジする
◆この問題を解説している「第1回 誰も知らないマイナー戦法」『▲7八金型天守閣囲い』の記事を読む
今回の問題は当ブログで紹介している
「第1回 誰も知らないマイナー戦法『▲7八金型天守閣囲い』」(クリックでリンク先へ移動。)の定跡解説記事より
抜き出したものです。
本戦法を詳しく知りたい方は
下記の記事をご覧ください。
◇伝説の囲い『▲7八金型天守閣囲い』Part3:終盤手筋編
【伝説の囲い『▲7八金型天守閣囲い』】
今回の手順は下記記事の変化手順で解説。
◆今回の問題図の部分解説はこちら◆
(↑定跡解説記事の変化へ直接移動します。)
▽関連商品
本ページはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を利用しています。
・左美濃伝説 (秘法 (巻之2)) 【定価:1,000円】
スポンサーリンク