Q.変化解説:『囲の王』第19話 王城環VS忽那ことは戦 第9図で△8八金なら?以下25手詰!?

 


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◆Q.変化解説:王城環VS忽那ことは戦 第9図で△8八金なら?以下25手詰!?

ではさっそく変化図再掲載して、以下の手順を検討してみましょう。
本当に先手玉は△8八金(変化図)から詰むのでしょうか?

【再掲載 変化図は1手目△8八金まで】
ここから25手詰らしいが・・・?

上記 再掲載 変化図では▲8八同馬と応じるしかありません。

しかし一目変化図*から▲同馬* △同桂成 ▲同玉 △7八飛* ▲9七玉 △8八角* ▲8六玉 △8五歩 ▲同銀*以下、先手玉は続く王手がなく詰まない感じです。

上記 再掲載 変化図から本当に先手玉を詰ます事ができるのでしょうか?

 


◇△8八金~△同桂成~△7八飛から先手玉を9七へ呼び出し、一足早く桂捨てが正着!

というわけで一見詰みそうに思えない、下記の再掲載 変化図からの正しい手順を見ていきましょう。
ここから後手の忽那ことは女流二段側にあった、25手詰の手順とは?

【再掲載 変化図は1手目△8八金まで】
ここから詰ます手順とは?

 
・再掲載 変化図からの指し手

▲同馬   △同桂成 ▲同玉 △7八飛

▲9七玉 △8五桂!(変化1図)≫

【変化1図は7手目△8五桂まで】
この△8五桂が先手玉を詰ます唯一の手。

上記 変化1図の△8五桂に代えて、△8八角*なら▲8六玉*の時に詰ます手がなく後手失敗です。(以下△8五歩*▲同銀*で王手が続かない。)

そこで上記 変化1図の△8五桂!が、その問題点を解消した一手です。
この上記 変化1図の△8五桂*を取らず、▲8六玉*なら△7七角* ▲7六玉 △6六角成 ▲8六玉 △7五飛成*までの詰みなので、変化1図▲8六玉とは逃げられません。


さて、この△8五桂と先に跳ねた意味は何なのでしょう?
具体的な意味を知るためには、ここからの手を進める必要があります。

 


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◇△8五桂 ▲同銀と入れた効果で▲8六玉に△8五歩が王手になり手が続く

変化1図再掲載して、解説を続けます。
この△8五桂の意味を理解するため、局面を進めましょう。

【再掲載 変化1図は7手目△8五桂まで】
ここで△8五桂が凝った手順。

 
・再掲載 変化1図からの指し手

▲同銀 △8八角 ▲8六玉 △8五歩

▲同玉 △8四歩(変化2図)≫

【変化2図は13手目△8四歩まで】
ここまで王手を続けるための桂捨て。

そうなのです!  変化1図で△8五桂 ▲同銀と捨てた理由は、△8八角 ▲8六玉と進んだ時に△8五歩を王手にするためだったのです。
後手は△8五歩を王手にしたため、上記 変化2図△8四歩まで進める事ができました。

ちなみに上記 変化2図*▲8六玉*と逃げるのは△8五銀*までの詰みです。
他に上記 変化2図*▲7四玉*△7三銀打* ▲6五玉 △6四銀 ▲7四玉 △7五飛成*までの詰み。

よって変化2図から先手は▲同玉と取る一手ですが、果たしてあと13手で先手玉は詰むのでしょうか?

 


◇△8四歩から先手玉を自陣に呼び寄せ△8三歩!自陣の駒を使って詰ましにいく

変化2図再掲載します。
ここから先手玉はどのように詰まされるのでしょうか?

【再掲載 変化2図は13手目△8四歩まで】
△同玉と取る一手に。

 
・再掲載 変化2図からの指し手

▲同玉 △8三歩(変化3図)≫

【変化3図は15手目△8三歩まで】
△8三歩!自陣の△7二銀を使う。

後手は変化2図から△8四歩~△8三歩(変化3図)と先手玉を呼び寄せ、自陣の△7二銀を使った王手をかけます。
後手はこの△7二銀を使う事が先手玉に歩を叩き続けていた時からの狙いだったのです。

上記 変化3図*で先手が▲8五玉*と逃げるのは△8四銀* ▲7四玉・▲8六玉のどちらに逃げても△7五飛成*までの詰みです。
他に上記 変化3図*から▲7四玉*△7三銀打* ▲6五玉*(▲8五玉*△8四銀 ▲7四玉 △7五飛成*詰み。) △6四銀* ▲7四玉 △7五飛成*詰みます。


だんだん先手玉の詰み筋が見えてきた。

 


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◇先手は▲8三同金と取るが、そこから△7二銀と打たれ先手の玉が裸にされた

では再掲載 変化3図から、残った▲8三同金以下の手順を進めてみましょう。
先手は最後の守りの金を使っていきますが、果たして?

【再掲載 変化3図は15手目△8三歩まで】
先手は▲8三同金と応じる一手だが。

 
・再掲載 変化3図からの指し手

▲同金 △同銀* ▲同玉 △7二銀(変化4図)≫

【変化4図は19手目△7二銀まで】
玉を丸裸にして△7二銀!詰みが見えてきた

変化3図から先手は▲8三同金と取る手には、△同銀からバラして△7二銀(変化4図)と銀を打ちます

上記 変化4図*▲8二玉*と逃げるのは△8一金*までの詰み。
他に上記 変化4図*▲7四玉*△6四金* ▲8五玉 △7五飛成*までの23手詰で、本手順より2手早詰みとなります。

この上記 変化4図△7二銀から、だんだん先手玉が詰みそうに見えてきましたね。
環は脳内将棋盤だけでこの手順を対局後に見抜いたのですから物凄い。

 


環は対局後にこの手順を脳内で気づいた。

 


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◇先手は▲8四玉と逃げる一手だが、後手の怒涛の追撃で25手詰に!

変化4図を再掲載して本手順を進めましょう。
現在19手目ですが、ここから先手玉が詰む25手目まで一気に進みます。

【再掲載 変化4図は19手目△7二銀まで】
ここから一気に先手玉は寄る。

 
・再掲載 変化4図からの指し手

▲8四玉 △8三歩* ▲8五玉 △8四金

▲8六玉 △7五飛成(詰め上がり図)≫

【詰め上がり図は25手目△7五飛成まで】
最後は飛車を成って詰み。後手の勝ち。

後手は変化4図から△8三歩~△8四金と先手玉に上部からどんどん王手をかけ、最後は△7五飛成(詰め上がり図)と飛車を成り戻って25手詰!

 

なんと・・・!
本当に先手の環玉は下記 再掲載 変化図の△8八金から詰んでいたのです。

【再掲載 変化図は1手目△8八金まで】
先手玉は本当に25手詰だった。

 


局後に香里もこの手順に気がつき・・・。

 


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◇まとめ:環は△8八金から実は負けていた!?しかしそれを指さなかったことはの真意は?

最後に初手△8八金の変化図から最後の25手詰までの手順を掲載しておきます。

【再掲載 変化図は1手目△8八金まで】
先手玉はここから25手詰。

 
・再掲載 変化図からの指し手

▲同馬  △同桂成  ▲同玉 △7八飛

▲9七玉 △8五桂*▲同銀 △8八角

▲8六玉 △8五歩  ▲同玉 △8四歩*

▲同玉 △8三歩*▲同金 △同銀

▲同玉 △7二銀*▲8四玉△8三歩

▲8五玉△8四金  ▲8六玉△7五飛成(詰め上がり図)≫

【詰め上がり図は△7五飛成まで】
まで25手詰。

つまりこの将棋、ことはには終盤に上記の25手詰があり、それに気がつかず詰みがある局面*に一度誘導してしまった環は実は負けていたのです。
いや、しかし実戦では後手のことはは変化図△8八金と指さず△7八金と打って以下▲同馬~▲4三金で先手の環が勝ったのですが・・・。

「もしや後手のことはは、この手順に気がつかなかったのか? それとも・・・?」
対局後にこの手順が見えた環は将棋カフェから走り出し、ことはの後を追って真意を確かめに行きます!

 


勝ちを譲られたのか?それとも・・・。

 


◆『囲の王』第19話 王城環VS忽那ことは戦 観戦記事に戻る


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