「誰も知らない次の一手」問題図12:答え『手堅く戦いを一切起こさない玉引き』


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◆「誰も知らない次の一手」問題図12の解説『手堅く戦いを一切起こさない玉引き』

下記 問題図での
先手の正解手はどちらなのでしょうか?

【問題図は31手目▲6五桂まで】
1:△4二玉 2:△8八飛成

答えは…1の△4二玉(下記 正解図)
玉を4二へ引く手。

【正解図は32手目△4二玉まで】
3三へ出た玉を再度引く手が正解。

先手はここで△4二玉(上記 正解図)が正解。

後手は一度3三へ出た玉を4二へ引きましたが
次に△6五歩と桂を取る事ができれば
無条件の桂得なので一手の損は気にならないのです。

正解手以下の手順を並べる前に
まずは問題図△8八飛成2の失敗手の変化を解説しましょう。

 


 


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◇失敗手:2の△8八飛成「8筋に隙があり、以下▲8二歩~▲8一飛で先手に攻め込まれ後手不利」

では問題図再掲載し、
△8八飛成がなぜ失敗手なのか説明しましょう。

【再掲載 問題図は31手目▲6五桂まで】
ここで△8八飛成と角を取る手の解説。

上記 再掲載 問題図から
△8八飛成
(下記 失敗1図)
8八の角
を取る手がもう一つの選択肢でした。

【失敗1図は32手目△8八飛成まで】
王手をかけた角を飛車で取ったが…。

しかしこの手は
後手の守りの要の8筋の飛車を失い
さらに先手へ飛車を渡してしまったため
ここから反撃を食らってしまい後手不利となります。

 


 


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下記失敗1図再掲載して、以下の手順を並べてみましょう。

【再掲載 失敗1図は32手目△8八飛成まで】
以下飛車を手にした先手は反撃してくる。

 

・再掲載 失敗1図からの指し手

同銀 △6五歩 ▲8二歩!(失敗図)≫ 
 ≫の付いた青文字を押すと動く盤面で再生。↑

【失敗図は35手目▲8二歩まで】
これで後手の桂得は帳消しに。

問題図で▲8八角の王手を受けるため、△8八飛成と角を取りました。
その手に先手は▲同銀と応じ、以下△6五歩と桂を取り
これで後手飛角交換なものの桂得となりましたが…。

そこで▲8二歩!(上記 失敗図)と打つ手があり、後手不利の形勢
後手の△8二飛が盤上からいなくなったため、後手陣には隙が多くなっているのです。

上記 失敗図以下△9三桂と逃げますが
▲8一飛と打たれて次に▲6一飛成・▲9一飛成の駒取りが確定し
後手は桂得の主張を失い、
しかも3三玉型という中途半端な玉形で戦いが起こってしまい後手不利になるのでした。

 


 


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なので問題図で2の△8八飛成(下記 再掲載 失敗1図)は
先手に飛車を与え、桂得もできない
不正解手なのでした

【再掲載 失敗1図は32手目△8八飛成まで】
流石に先手へ飛車を渡すのはきつい。

 

★問題図の失敗手△8八飛成の変化 まとめ

問題図から△8八飛成~△6五歩は、以下▲8二歩~▲8一飛で後手駒得できず。しかも先手に龍を作られ後手不利。


 


 


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◇正解手:1の△4二玉「以下手堅く受けて桂得を主張する。後手有利」

問題図再掲載し、
1の正解手△4二玉の解説。

【再掲載 問題図は31手目▲6五桂まで】
ここで△4二玉が正解。その意味は?

ここで△4二玉(下記 再掲載 正解図)
3三へ出た玉を引く手が正解手。

【再掲載 正解図は32手目△4二玉まで】
3三へ出た玉をスッと4二へ引いた。

この手の意味は5三地点を玉で守り
次に△6五歩で桂得を主張するだけの
わかりやすい手です。

 


 


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下記 再掲載 正解図から局面を進めましょう。

【再掲載 正解図は32手目△4二玉まで】
以下先手は3四の歩を取ってくるが。

 

・再掲載 正解図からの指し手

3四飛 △3三歩 ▲5三桂成 △同玉

▲3六飛 △4二玉(正解結果図)≫ 
≫の付いた青文字を押すと動く盤面で再生。↑

【正解結果図は38手目△4二玉まで】
後手は戦いを起こさず桂得を主張し十分。

問題図からの△4二玉に対し、後手は▲3四飛と浮いた歩を取ってきました。
ここで手堅く△3三歩と打つ手が無難で、後手は戦いを起こさずに桂得の主張を狙います。
対する先手は▲5三桂成で桂を取られる前に歩と交換してきますが
以下△同玉 ▲3六飛△4二玉(上記 正解結果図)まで進み、
後手は玉形を整え、桂得のみを残す事に成功しました。

これは桂得をした後手有利となります。

 


 


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よって問題図での正解手
先手に反撃の駒を与えず手堅く受ける
1の△4二玉(下記 再掲載 正解図)なのでした。

【再掲載 正解図は32手目△4二玉まで】
実に手堅い受け。

 

★問題図の正解手△4二玉の変化 まとめ

問題図から△4二玉は、次に確実に△6五歩と取る狙い。以下先手が▲3四飛と動いてきても△3三歩と受けて桂得できる後手有利。


 


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◆この問題を解説している「第1回 誰も知らないマイナー戦法」『▲7八金型天守閣囲い』の記事を読む

今回の問題は当ブログで紹介している
「第1回 誰も知らないマイナー戦法『▲7八金型天守閣囲い』」(クリックでリンク先へ移動。)の定跡解説記事より
抜き出したものです。

本戦法を詳しく知りたい方は
下記の記事をご覧ください。


◇伝説の囲い『▲7八金型天守閣囲い』Part10:応用編

【伝説の囲い『▲7八金型天守閣囲い』】
今回の手順は下記記事の変化手順で解説。

◆今回の問題図の部分解説はこちら◆
(↑定跡解説記事の変化へ直接移動します。)


『▲7八金型天守閣囲い』の定跡解説を最初から読みたい方は↓こちら。
誰も知らないマイナー戦法 ▲7八金型天守閣囲い Part10の記事を最初から読む。

 

 


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