「誰も知らない次の一手」問題図11:答え『△2二角の利きが使える"伝説の囲い"』


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◆「誰も知らない次の一手」問題図11:答え『△2二角の利きが使える"伝説の囲い"』

下記 問題図での
先手の正解手はどちらなのでしょうか?

【問題図は45手目▲5三角成まで】
1:△同金 2:△5五歩

答えは…2の△5五歩(下記 正解図)
飛車の前へ歩を打つ手。

【正解図は46手目△5五歩まで】
▲5六飛の利きを△2二角で止めた。

(*の付いた青色の文字*を押すと解説が表示されます。)

先手はここで△5五歩(上記 正解図)が正解。
この手は先手の▲5六飛の利きを△2二角で止めた手です。

通常の対ひねり飛車戦の定跡だと
△3三金と上がって△2二角の利きを止めてしまっている*ため
この△5五歩のような手が生じないのですが
△3二金型天守閣囲いだと△2二角を通したまま堅い囲いを作れるため
思った以上に反発の手順が多いのです。

正解手以下の手順を並べる前に
まずは問題図△同金1の失敗手の変化を解説しましょう。

 


 


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◇失敗手:1の△同金「5三へ龍を作られる。形勢は互角だが先手の龍も大きい

では問題図再掲載し、
△同金がなぜ失敗手なのか説明しましょう。

【再掲載 問題図は46手目△同金まで】
ここで△同金と取る手の解説。

上記 再掲載 問題図から
△同金
(下記 失敗途中1図)
金で5三の馬を取る手が
もう一つの選択肢でした。

【失敗途中1図は46手目△同金まで】
悪くはないが正解手より劣る。

この手も後手はそこまで形勢は悪くないのですが
正解手順より先手に攻める余地を与える事になり、それより劣る一手なのです。

 


 


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下記失敗途中1図再掲載して、以下の手順を並べてみましょう。

【再掲載 失敗途中1図は46手目△同金まで】
駒得だが先手に龍を作られる事に…。

 

・再掲載 失敗途中1図からの指し手

同飛成(失敗図)≫ 
≫の付いた青文字↑を押すと動く盤面で再生

【失敗図は47手目▲同飛成まで】
形勢は互角だが、先手に龍を作られた。

問題図からの△同金に先手は▲5三飛同成(上記 失敗図)と飛車を成ってきました。

これも後手角金交換の駒得で
後手悪くないのですが
5三地点へ先手の龍を作られたので
正解手順より損をしています。

上記 失敗図以下、
△8五歩~△8六歩と伸ばして一局の将棋なのですが
正解手順は5七地点へと金を作る事ができ、
この上記 失敗図よりも勝る手順なのです。

 


 


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なので問題図で1の△同金(下記 再掲載 失敗途中1図)と馬を取る手は
形勢は悪くないものの正解手より劣る
不正解手なのでした

【再掲載 失敗図は45手目△同金まで】
正解手より劣るため不正解。

 

★問題図の失敗手△同金の変化 まとめ

問題図で△同金と馬を取る手は▲同飛成と進み、後手駒得はしているが先手に一方的に龍を作られたため正解手順より劣る。


 


 


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◇正解手:2の△5五歩「△2二角の利きを使った△5五歩!さらに5七へと金を作り後手有利!」

問題図再掲載し、
2の正解手△5五歩の解説。

【再掲載 問題図は45手目▲5三角成まで】
ここで△5五歩が正解。その意味は?

ここで△5五歩(下記 再掲載 正解図)と飛車の前へ歩を打つ手が正解手。

【再掲載 正解図は46手目△5五歩まで】
ここで飛車の前へ歩を打つ手が正解。

この手は▲5六飛の利きを△5五歩と打って止める事で、
次に△5三金とタダで馬を取る手を狙いにしています。
△2二角の利きを通したまま堅い囲いを作れる
△3二金型天守閣囲いの良さが出ている手順です。

 


 


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下記 再掲載 正解図から局面を進めましょう。

【再掲載 正解図は46手目△5五歩まで】
ここから先手は踏み込んでくるが…。

 

・再掲載 正解図からの指し手

7一馬 △5六歩 ▲8二馬 △5七歩成!

(正解結果図)≫ 
↑≫の付いた青文字を押すと動く盤面で再生

【正解結果図は50手目△5七歩成まで】
飛金交換の駒得&5七へと金ができた。

問題図からの△5五歩に先手は▲7一馬と飛車交換を挑んできました。
(代えてここで▲5二馬は△5六歩で金飛交換の駒得で、次に△5七歩成・△5二飛がある後手有利。)

後手の△5六歩の取り込みに▲8二馬と進み、飛車交換となりましたが
そこで△5七歩成!(上記 正解結果図)まで進み
こうなると後手は駒損なしに5七へと金ができており
上記 正解結果図以下△6九飛と打つ手が厳しく、
のちに駒得&先手玉への寄せが狙える後手有利となりました。

問題図からの△同金の変化よりも急所の5七へと金ができており
さらに先手は8二へ馬を作る事はできたものの、
失敗図の▲5三同飛成の局面*より働きの悪い位置へ馬を置かされているので
上記 正解結果図の方が後手指しやすい展開なのは言うまでもありません。

 


 


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というわけで
問題図での正解手
先手の▲5六飛の利きを止めながら反撃を狙う

2の△5五歩(下記 再掲載 正解図)なのでした。

【再掲載 正解図は46手目△5五歩まで】
この囲いならではの気持ち良い手。

 

★問題図の正解手△5五歩の変化 まとめ

問題図で△5五歩は以下飛車交換となり5七地点へと金を作る事ができて後手有利。


 


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◆この問題を解説している「第1回 誰も知らないマイナー戦法」『▲7八金型天守閣囲い』の記事を読む

今回の問題は当ブログで紹介している
「第1回 誰も知らないマイナー戦法『▲7八金型天守閣囲い』」(クリックでリンク先へ移動。)の定跡解説記事より
抜き出したものです。

本戦法を詳しく知りたい方は
下記の記事をご覧ください。


◇伝説の囲い『▲7八金型天守閣囲い』Part10:応用編

【伝説の囲い『▲7八金型天守閣囲い』】
今回の手順は下記記事の変化手順で解説。

◆今回の問題図の部分解説はこちら◆
(↑定跡解説記事の変化へ直接移動します。)


『▲7八金型天守閣囲い』の定跡解説を最初から読みたい方は↓こちら。
誰も知らないマイナー戦法 ▲7八金型天守閣囲い Part10の記事を最初から読む。

 

 


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