Q.変化解説:△6四角に対し▲3五歩~▲3八飛と攻めるとどうなるのか?

 


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Q.変化解説:△6四角に対し▲3五歩~▲3八飛と攻めるとどうなるのか?

第1図△6四角と打った局面を再掲載します。
もし下記 第1図で先手の環が▲3五歩~▲3八飛
から仕掛けてきたらどうなるのでしょう?

【再掲載 第1図は△6四角まで】
ここで▲3五歩~▲3八飛と仕掛けると?

 
・再掲載 第1図からの指し手

3五歩 △同歩  ▲3八飛 △9五歩

▲同歩  △8五桂!(変化1図)≫

【変化1図は△8五桂まで】
その瞬間!△9五歩~△8五桂の一閃!

先手が▲3五歩~▲3八飛と1歩突き捨て、次に▲2五桂と桂交換を挑もうとした瞬間!
△9五歩~△8五桂(変化1図)の端を突き捨て桂を跳ねました。

一体この手の意味は?と言いますと、この手自体は変化1図からすぐ端攻めで攻め潰す・・・という狙いはありません。(変化1図*でいきなり△9七歩*と打っても▲同桂* △同桂成 ▲同銀 △8五桂 ▲8六銀*の時、最後に△9七歩と叩く歩がなくギリギリ端攻めが成立しない。後手にもう1枚づつ歩と桂馬があれば△9七歩*と叩く手や、△8四桂*が生じて端攻めが成立するのですが・・・。)

つまり後手に歩と桂馬がもう1枚入る形でないと、この下記 再掲載 変化1図からの端攻めが成立しないという事がわかりましたね。

【再掲載 変化1図は△8五桂まで】
後手に歩と桂が入れば穴熊を薄くできるが。

さて、その話を踏まえて上記 再掲載 変化1図右辺を見てみましょう。もし上図が後手の手番だとしたら、何か気がつきませんか?
そうなのです、後手は再掲載 変化1図*から次に△2五歩* ▲同歩* △同桂 ▲同桂 △同飛*(変化A図)からちょうど歩と桂を1枚づつ入手できます。

【変化A図は△2五同飛まで】
歩二枚と桂一枚を手にした後手有利。

つまりそういう事なのです! 後手が△6四角と打った効果で、この▲3五歩~▲3八飛の仕掛け手順は「後手へ居飛車穴熊を崩すために必要な歩と桂馬を渡してしまう危険な手順」にすり替えられてしまったのです。
ロープ際で体を一回転して体制を入れ替えるようなカウンターを狙った一手だったのですね。

後手のことはが△6四角と打っていなければ、この手順は先手の環が自分の飛車を桂馬を捌き、居飛車穴熊の堅さに任せて攻めを繋ぐ一方的な仕掛けになっていたのですが・・・。
これぞ「プロ棋士の技!」と言えるような、巧みな深い読みと経験に裏付けられた一手なのでした。

これぞプロ棋士の技!△6四角!

 

 


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◇再掲載 変化1図から先手は▲2五桂から仕掛けるのも△8四桂の玉頭攻めで居飛車穴熊が崩される

最後にもう一度変化1図再掲載して、そこから▲2五桂と仕掛けた手を解説しますが。
もうこの仕掛けが駄目な理由は、ここまで読んだあなたなら理解できているはずです。

【再掲載 変化1図は△8五桂まで】
ここで▲2五桂と仕掛けるのは・・・。

 
・再掲載 変化1図からの指し手

▲2五桂 △同桂 ▲同歩 △8四桂!(変化結果図)≫

【変化結果図は△8四桂まで】
次に△7六桂・△9七歩の攻めが厳しい。

△8四桂!と打たれた変化結果図まで進んだ瞬間「やはり」と思ったはずです。
先手は▲2五桂~▲同歩の手順で歩と桂を入手できるのですが、後手にも歩と桂が渡り△6四角と打った効果でその歩と桂を9筋・7筋で効果的に使う事ができるのです。(もし上記の変化結果図△6四角がいないと*9筋の勢力が弱く、▲7七桂打*と受ける手がある。以下△9七歩* ▲同桂 △同桂成 ▲同銀 △9五香* ▲9六歩 △同香 ▲同銀*の時に△9七歩の攻めがなく届かない。)

 

 


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◇まとめ:第1図で▲3五歩~▲3八飛~▲2五桂は△6四角の効果で居飛車穴熊を薄くされ危険

つまり下記 再掲載 第1図後手から△6四角の利きを生かした△9七歩&△8四桂の端攻めがあるため、先手から歩と桂を渡す▲3五歩~▲3八飛~▲2五桂の仕掛けは危険!という事が理解できたはずです。

【再掲載 第1図は△6四角まで】
先手から仕掛けるのは穴熊が薄くなり危険。


・まとめ:△6四角に▲3五歩~▲3八飛の仕掛けを狙うとどうなるのか?

1:後手に歩と桂を渡してしまうので、△9五歩~△8五桂~△8四桂△6四角型を生かした端攻めを狙われる。

2:先手の飛車が▲3八飛と2筋から動くので△2五歩 ▲同歩 △同桂 ▲同歩 △同飛から絶対に歩と桂を1枚づつ持たれる。 その前に先手から▲2五桂 △同歩 ▲同歩と動いても同じで、やはり△8四桂と打って端攻めを狙われる。

3:△6四角型の効果で常にこの強力な端攻めの筋があるので、後手のことはの高美濃囲いは先手の居飛車穴熊より相対的に堅い玉形になり、大駒交換の攻め合いでも後手優勢を狙える。



たった一手で堅さの関係を逆転させたことは。

 


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