『続 横歩取りは生きている-下巻-』 試し読み

 

 


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将棋天国社さんから将棋天国社の本を紹介して良いという許可を頂いたので、今回は『続 横歩取りは生きている-上巻-』の中身を画像で紹介!
論より証拠、この本の魅力を知るには実際に読んでみてください!

沢田多喜男氏の熱い文章に引き込まれる事間違いなし!

 


画像をクリックすると、拡大して読めます。


続横歩取りは生きている-下巻- 著:沢田多喜男

 


続 横歩取りは生きている-下巻- 目次
第2章 相居飛車型
 (表2)相居飛車型の系譜と実戦例
 一、先手▲3二飛成戦法
 A、先手▲7七銀
 B、先手▲4五角
 C、先手▲6八玉
 D、先手▲1六歩
(付)後手△4一玉戦法
二、先手▲3六飛戦法
第3章 対中飛車型
 (表3)対中飛車側の系譜と実戦例
 一、先手▲5八金右
 二、先手▲2四飛
  A、後手△8八角成
   a、▲2四桂
   b、▲7七角
   イ△5七桂
   ロ△4四桂
  B、後手△5六同飛
 三、先手▲3六飛
第4章 新横歩取り戦法
  一、塚田スペシャル
    A、後手△6二銀型
     (1)後手△6四歩の場合
     (2)後手△3四歩の場合
    B、後手△7二銀型
     (1)後手△6四歩の場合
     (2)後手△3四歩の場合
     (3)塚田流▲9六歩
  二、「いちご囲い」急戦法
  三、中原流急戦相掛かり
  四、谷川流腰掛銀横歩取り
  五、名人戦の横歩取り

 


第2章 相居飛車型
先手が▲2四同飛の時、後手が△2三歩と打つ指し方を相居飛車型と言う。 この指し方も徳川時代から指されている古い戦法である。
基本図では▲3二飛成が定跡化されて来たが、最近若手棋士たちによって▲3六飛と引く指し方もしばしば試みられるようになった。

 


一、先手▲3二飛成戦法
基本図で最初に▲3二飛成と切った棋譜は文政7年(十八二四)十月一七日に行われた御城将棋にある。
(先)大橋英俊六段(柳雪の前名)対伊藤看佐六段で、英俊が▲3二飛成と指したのである。
この棋譜は前著「横歩取りは生きている」の一三九頁に紹介しているので本書では省略するが、この将棋は一部で"横歩取りの最古の棋譜"と誤り伝えられている。

 


第3章 対中飛車型
先手の横歩取りに対し、後手は△5二飛と回って5筋から反撃しよう、というのがこの指し方である。
昭和十年頃から二十年代にかけて数多く指され、その後しばらく姿を消していたが最近また装いを新たにして登場してきた。 まことに"横歩取りは生きている"の感を深くする。

 


対中飛車型の系譜と実戦例
基本図以下の系譜
一、▲5八金右……神田・渡辺戦351
二、▲2四飛△5六歩▲同歩 A、△8八角成▲同銀△3三角▲2一飛成△8八角成
 (a)▲2四桂……木村・花田戦355
 (b)▲7七角△8九馬▲1一角成
   イ△5七桂……加藤・市川戦358、木村・加藤戦360、木村・塚田戦363
   ロ△4四桂……横山・高橋戦374、内藤・山田戦375、石原・烏山戦377

 


B、△5六同飛……加藤・真部戦380、佐瀬・木村戦383
三、▲3六飛
A、△4四角▲5六歩 乱戦
B、△4四角▲4六歩
   △2二銀……渡辺・塚田戦388
   △6二銀……木村・塚田戦389
   △5六歩……神田・塚田戦391
C、△6二玉……谷川・森戦393

一、先手▲5八金右
神田・渡辺戦
第3期名人戦挑戦者決定リーグ 昭和17年 (先)▲八段 渡辺 東一 △八段 神田辰之助

 

 


実は第1図の▲5八金右は悪手なのである。 神田八段の△3三金で、△5六歩▲同歩△8八角成▲同銀△3三金▲3六飛△2二飛▲2六歩△2七角とされると先手不利を招くところだった。
渡辺八段の▲6八玉については、木村名人と土井八段(何れも当事)の異なる評がある。
木村名人「▲6八玉では▲4八金△2二飛▲2八歩△5二飛▲5八金左△4一玉▲5六歩と▲3三角切の含みに指したい」
土井八段「▲6八玉では▲2三歩△3四歩▲5六歩△2三金▲5五歩△3三金▲2三歩で棋勢有望だった」

 

 


B、後手△5六同飛
以上の経過により対中飛車型横歩取り戦法で、先手▲2四飛の時△5六歩▲同歩△8八角成▲同銀△3三角と後手が超急戦を挑む順は先手有利になることがはっきりし、プロの実戦から全く姿を消してしまった。
代わりに登場したのが、△5六歩▲同歩の時△8八角成とせずに△5六同飛(B図)と取る手である。

 

 


第4章 新型横歩取り戦法(塚田スペシャル、「いちご囲い」急戦法、中原流相掛かり、谷川流腰掛け銀横歩取り)
横歩取り戦法の基本は、「序盤の一歩得は先手有利」という考え方の上に成立している。
しかし全く無条件に一歩得する、ということは実戦ではほとんど期待できない。 一歩得をするためにはなんらかの代償を支払わなければならない。 たとえば。 (1)手損。 (2)形の乱れ。
この二つが代償の典型的なものである。
だから横歩を取る側は、常に右の代償の一乃至二を支払ってでも、なおプラスになるかどうかと考える。
一方取らせる立場の方は、取られる一歩をオトリとみなしている。 一歩の代償として得た手特、また相手が一歩取ったために生じた形の乱れ(多くの場合は飛車の悪形)をいかに突くか、が問題となる。
従って横歩取り戦法の優劣は、常にプラス点(取得した一歩)とマイナス点(手損と形の乱れ)との微妙なバランスにかかっていると言ってよい。
こうした支店から観察すると、第1章から第3章までに述べた形以外に現在谷川・中原・米長・桐山氏ら超一流棋士たちに愛好されている相掛かり急戦も横歩取りの要素を多分に含んでいることに気づく。

 

 


「在来型が」▲7六歩△3四歩を初手とするのに対し、「新型」は▲2六歩△8四歩とスタートする。 ロ図以下後手は遅かれ早かれ△3四歩か△6四歩、または△5四歩など歩を前進させることになる。

 

 


その時先手は▲2四歩と合わせて飛車でその歩を取りにゆく、これが「新型」の基本的な狙いである。
新横歩取り戦法(塚田スペシャル)の系譜と実戦例
基本図以下の系譜
一、△6二銀▲1六歩△1四歩▲3八銀
A、△6四歩▲7六歩
 (a)△6三銀▲7七角……・・・先手指せる
 (b)△3四歩▲3六飛△8八角成▲同銀△2八角▲3四飛………先手指せる
 (c)△8六歩▲同歩△同飛▲2四歩△同歩▲同飛
イ△6三銀▲1五歩△同歩▲1四歩△2三歩▲2五飛……先手指せる
ロ△8二飛
①▲6四飛

 

 


(甲)△8八角成▲6二飛成△同金▲8八銀
(1)△3四歩▲8三飛…吉田・塚田戦406
(2)△2七歩▲7一飛…塚田・中村戦408、中村・南戦412
(3)△8七歩▲7七銀…南・塚田戦415
(乙)△3四歩▲同飛△8八飛成▲同銀△6六歩▲8三歩……清水・中井戦415

②▲1五歩
(甲)△8六歩▲8四歩△8七歩成▲同金△8四飛▲8六歩………互角
(乙)△1五同歩▲1四歩
(1)△2三歩▲6四飛…中原・塚田戦420
(2)△8六歩▲2三歩△8七歩成…塚田・中村戦424
B、△3四歩▲7六歩△8六歩▲同歩△同飛▲3四歩……森・塚田線426
二、△7二銀▲1六歩△1四歩
A、▲3八銀
 (a)△6四歩▲7六歩
  イ△8六歩▲同歩△同飛▲2四歩△同歩▲同飛
 ①△7一金……塚田・羽生戦432
 ②△4二玉……加藤一二三・塚田戦434
 ③△8五飛……米長・谷川戦437、井上・羽生戦440
 ④△8二飛
(甲)▲6四飛△3四歩▲4八玉△2七歩▲3九金△6八歩……米長・谷川戦441
(乙)▲1五歩△同歩▲1四歩△8六歩▲2三歩△8七歩成……高橋・谷川戦445

 

 


ロ△3四歩
 ①▲3六飛△8八角成▲同銀△2八角▲3四飛
 ②▲2四歩△同歩▲同飛△6三銀▲3四飛△8八角成▲同銀
 (甲)△3三金……塚田・脇戦451
 (乙)△2二銀……谷川・加藤一二三戦453
(b)△3四歩▲7六歩△8六歩………高橋・谷川戦458
B、▲9六歩
 (a)△9四歩▲3八銀……先手指せる 谷川・塚田戦462
 (b)△6四歩▲7五歩……先手指せる
 (c)△3四歩▲7六歩……互角
(注)対局者名の下部数字は掲載ページ。
一、塚田スペシャル
元来横歩取りは大部分が「相掛かり急戦法」に属するのである。 ロ図(▲2六飛)を起点とする超急戦は、もともと吉田利勝七段が得意とする戦法だったが、中村修七段がこれに改良を加え、横歩取りと一筋の端攻めを関連させて後手陣を揺さぶる新先方を創案したのが発端となった。
しかし攻め一筋の戦法だったためか、中村七段自身はあまりこの戦法を採用しなくなり、代わってこれを愛用したのが「攻めっ気一〇〇パーセント」の塚田泰明八段だった。
塚田八段は昭和六一年六月から十一月にかけて驚異的二十二連勝を果たしてセンセーションを巻き起こした。

 

 


(3)塚田流▲9六歩
後手△7二銀▲1六歩△1四歩の時、▲9六歩△9四歩と9筋を突き合った後▲3八銀(d図)と上がる手を塚田八段は考え出した。
▲9六歩は無意味な端歩突きではない。 d図以下△6四歩▲7六歩△8六歩▲同歩△同飛▲2四歩△同歩▲同飛△8二飛▲6四飛△3四歩が塚田スペシャル対策の決定版と言われているが、▲9六歩と突いてあれば、その時▲7七桂が可能になる。 一局毎に新構想を打ち出し、定跡を前進させてゆく塚田八段の創造力は素晴らしい。

 

 


二、「いちご囲い」急戦法
第1図の先手の玉形と金銀の形は「いちご囲い」と呼ばれる。 命名者やめいめいの理由はわからないが、内藤九段や攻めを得意とする一部若手棋士が数年前から愛用している。
従来の腰掛銀戦法だと、第1図から▲4六歩△5二金▲4七銀△5四銀▲5六銀と進展し、先手は▲5八金又は▲4八金と締まった後▲3四歩△同歩▲4五銀とぶつける。 この指し方は加藤治郎名誉九段により、「ガッチャン銀戦法」と命名された。
しかし時代の進歩と共に攻めの速度も早くなる。 「いちご囲い」急戦法は、第1図で早くも▲2四歩△同歩▲同飛と横歩取りに出るのである。

 

 


これは「塚田スペシャル」と同一の狙いであり、「いちご囲い」急戦は従って「塚田スペシャル」の先がけとなった指し方なのだ。

 

 


三、中原流急戦相掛かり
攻めの棋風の中原名人もまた急戦相掛かり戦法を十八番としている。
A図(△3四歩)は第34期王将戦七番勝負第三局、米長王将に中原王座が挑戦した将棋

 

 

名人戦の横歩取り
第46期名人戦で中原名人に挑戦した谷川王位は四勝二敗で名人を破り、三年ぶりに名人復位を果たしたが、その第三局と第四局に横歩取りが出現した。 両局共、谷川王座が横歩を取っている。

 

 

 


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