棋書『B級戦法の達人』は「A級戦法の達人」? Part4 最終回! ~杉本昌隆の振り飛車破り「ポンポン桂」 編~

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◆棋書『B級戦法の達人』は「A級戦法の達人」? Part4 最終回!

前回は「端美濃囲い」が「串カツ囲い」「早咲玉」と呼ばれるようになった背景と理由を語りました。


◎関連記事 ⇒ 棋書『B級戦法の達人』は「A級戦法の達人?」Part3 ~「端美濃囲い」から「串カツ囲い」編~


アマチュアで流行した時に「早咲玉」と呼ばれ、プロで流行した後に「串カツ囲い」と命名された。 というお話でした。

端美濃、串カツ・・・と変わったネーミングの戦法でしたが、今回紹介する戦法の名前もなかなか変わっています。

 

 

では今回紹介する、最後の『B級戦法の達人』は・・・。

 

 

「ポンポン桂」です。

 

 


◇ポンッポンッと桂を二段跳ぶから「ポンポン桂」。

と言うわけで、今回紹介する『B級戦法の達人』「ポンポン桂」です。

これまた変わった名前の戦法ですね。

この「ポンポン桂」は、『B級戦法の達人』で相当詳しく解説されています。

 

下記のB級戦法の達人 ポンポン桂図を見ればわかると思いますが、かなり凝った形です。

【B級戦法の達人 ポンポン桂図】
△7四歩と突かせれば居飛車良しが研究手。

居飛車側は▲6八銀上と指し、振り飛車側に△7四歩と突かせているのが工夫。
以下B級戦法の達人 ポンポン桂図から、▲3五歩 △同歩 ▲4五桂! (ポンポン桂途中図) と仕掛けて行きます。

【ポンポン桂途中図は▲4五桂まで】
ポンッと音のしそうな▲4五桂が炸裂!

この▲4五桂が、ポンポン桂の代名詞のド派手な一手!
▲3七桂~▲4五桂
と、ポンッポンッと桂を跳ねるから「ポンポン桂」と呼ばれています。


狙いは △同歩 ▲3三角成 △同桂 ▲2四歩 △同歩 ▲同飛 からの飛車先突破です。
居飛車側は2筋突破して、気持ちよく飛車を成れます。

しかしこの戦法、桂をタダ捨てして2筋を突破するだけが狙いではありません。

 

本当の居飛車側の狙いは、△3三桂を入手して▲8六桂!(ポンポン桂結果図) と打つのが真の狙いです。

【ポンポン桂結果図は▲8六桂まで】
△6三金は▲4二龍で飛車がタダ。先手有利。

△7四歩を突くと、この居飛車側の▲8六桂が厳しい! というのが『B級戦法の達人』の秘密手順です。

この手順を掘り下げたのが、『B級戦法の達人』の功績。

普通、ここまでこの戦法を研究しませんからね。

 


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△昭和には「富沢キック」と呼ばれていた!

さて、この奇襲味の強そうな「ポンポン桂」戦法。 プロの将棋で指された事はあるのでしょうか?

実はプロ棋界では滅多に登場しませんが、昭和の棋士 富沢幹雄先生が愛用していました。

◆今回の棋士紹介◆

●富沢幹雄 棋士データベース ←クリックでリンク先へ飛ぶ。

日本将棋連盟 ホームページ より。


当事は、その富沢幹雄先生の名から取って「富沢キック」(1991年 富沢 対 藤井 実戦1図) と呼ばれていました。

【1991年 富沢 対 藤井 実戦1図△6三金まで】
次の一手が富沢キックの代名詞。

・1991年 王座戦 富沢 対 藤井猛 ←クリックで再生。

後手の藤井猛先生が△6三金と上がった局面。
ここから次の一手が「富沢キック」の代名詞の一手です。

・1991年 富沢 対 藤井 実戦1図からの指し手

▲5五角!(1991年 富沢 対 藤井 実戦2図)

【1991年 富沢 対 藤井 実戦2図▲5五角まで】
振り飛車に△6三金と上がらせ、形を崩す。

この▲5五角「富沢キック」の代名詞です。
▲4五桂と思っていた方は、肩透かしを食らったでしょう。

 

居飛車側の狙いは二つ。

一つ目は、振り飛車側に△6三金と上がらせて中央を弱くする事。
二つ目は、次の▲4六角~▲2四歩を見せ、振り飛車側に△4三銀と上がらせる事です。

後手に高美濃囲いにされますが、△6三金と上がらせれば、美濃囲いより横に弱くなったと考えているのです。

 

実戦でも、後手の藤井猛先生は△6三金と上がりましたが
そこであの仕掛けが炸裂します!(1991年 富沢 対 藤井 実戦2図 を再掲載)

【1991年 富沢 対 藤井 実戦2図▲5五角まで】
△6三金と受ける一手。 あの仕掛けが炸裂。

・1991年 富沢 対 藤井 実戦2図からの指し手

△6三金 ▲7七銀 △4三銀 ▲4五桂!(1991年 富沢 対 藤井 実戦3図)

【1991年 富沢 対 藤井 実戦3図▲4五桂まで】
▲4五桂が炸裂! ド派手なキックが決まった!

△6三金以下、ゆっくり駒組みが進むかと思いきや・・・。
次の▲4六角を受けた、後手の△4三銀に対し

突如▲4五桂第二のキック!

こうなれば次に △同歩▲3三角成 △同桂 ▲2四歩からの2筋突破は確定です。

 

以下実戦は先手が2筋を破り、後手の反撃を凌いでカウンターを決め、勝利!(1991年 富沢 対 藤井 終局図)

【1991年 富沢 対 藤井 終局図▲7三銀成まで】
見事、富沢キックの勝利!

詳しくは実戦譜を見ればわかりますが、この戦法は振り飛車党の藤井猛先生相手に通用したのです。

奇襲味の強い戦法ですが、初見だとプロでも対応できない破壊力を持っているのです。

 

 

 

・・・では「富沢キック」は、プロでも通用するA級戦法なのか? と言われると、その後あまりプロの将棋で登場していません。

どうしてかと言いますと、この戦法は振り飛車側が△4三銀と上がらずに△3二銀型で待てば発動できません。(1991年 富沢 対 森安 実戦図) 

【1991年 富沢 対 森安 実戦図△8二玉まで】
△3二銀型で待機。 ▲4五桂と跳べない。

1991年 順位戦 富沢 対 森安正 ←クリックで再生。

△3二銀型だと▲4五桂△同歩の後 ▲3三角成 △同銀 と銀で2筋を受けられるため、居飛車側は▲4五桂と飛べません。

なので仕掛けを選ぶタイミングは、△4三銀と上がる権利を持っている振り飛車側にあり「美濃にせず穴熊に囲ってから△4三銀と上がる」というような対策も有力。

他の居飛車急戦策は、大体居飛車側が仕掛ける権利を持っているので、これは居飛車党にとって非常に損なのです。

 

 

そもそも振り飛車党が富沢幹雄先生と当たっても、他の戦型にして避けられる(1992年 藤井 対 富沢 実戦図)という事がありました。

【1992年 藤井 対 富沢 実戦図▲3六歩まで】
二戦目の富沢戦。 矢倉に変化して外す。

1992年 順位戦 藤井猛 対 富沢 ←クリックで再生。

流石に当時振り飛車党の藤井猛先生が、矢倉に変化するのは相当「富沢キック」を嫌っている証拠ですが・・・。

それでも、このような手段で「富沢キック」を避けられてしまうのです。

対局前から相手がわかっている、プロ棋界では「富沢キック」を発動させる事すらままらないのでした。

 

その後も富沢幹雄先生は、相手が四間飛車なら「富沢キック」を採用していましたが、それも研究されて狙い撃ちにされていたようです。

結局指される機会も少なく、富沢幹雄先生も1994年に引退。
富沢幹雄先生と「富沢キック」は、共にプロの将棋から姿を消したのです。

 

その後、振り飛車側の研究も進歩し、△8二玉まで囲って△4三銀から捌いて振り飛車側指せる」「振り飛車側は穴熊にすれば負ける気がしない」(『杉本昌隆の振り飛車破り (MYCOM将棋ブックス』下記参照) という見解で、平成初期に「富沢キック」は消えていきました。

 


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◇2007年「ポンポン桂」を杉本昌隆先生が自著で語る。「対藤井システム対策の急戦策として有力。」

しかし改めて現代の目で見ると、この「ポンポン桂」は有力な戦法らしいのです。

2007年杉本昌隆先生『杉本昌隆の振り飛車破り (MYCOM将棋ブックス)』を出版し、「振り飛車破りにポンポン桂は有効」と語っています。

 

*杉本昌隆の振り飛車破り (MYCOM将棋ブックス)* 定価:1,470円

著:杉本 昌隆 2007年2月1日発売。 藤井聡太先生の師 杉本昌隆先生が書いた”振り飛車破り”の本。 「振り飛車の長所に詳しいのが振り飛車党ならば、自分の弱点(振り飛車破り)を知り尽くしているのもやはり振り飛車党。普段と逆の立場を持って解説した本も面白いのではないかと思い、こうしてこの本が出来上がった。」(まえがきより一部抜粋) 振り飛車党である杉本昌隆先生が、対藤井システム対策として「ポンポン桂」を解説している。 対藤井システムならば四間飛車側は△4三銀型+△7一玉型なので「ポンポン桂は対藤井システムに有効」との事。 他にも「対四間飛車5筋位取り戦法」や「対先手石田流山本流石田封じ」などを解説している。 この本の面白い所は、居飛車の秘策を紹介する「マル秘」ページ&振り飛車視点で対策を考えたページ「振り飛車の視点」がある事だ。 振り飛車破りの本でありながら、振り飛車党の立場になって対策も教えてくれる良著。

『杉本昌隆の振り飛車破り (MYCOM将棋ブックス)』の商品レビューを読む。(『Amazon』のカスタマーレビューへ移動。)

 

 

◆今回の棋士紹介◆

●杉本昌隆 棋士データベース ←クリックでリンク先へ飛ぶ。

日本将棋連盟 ホームページ より。

 

現在大活躍中の藤井聡太先生の師匠という事で話題になりましたね。
杉本昌隆先生
自身も「振り飛車四天王」(藤井猛先生、久保利明先生、鈴木大介先生、杉本昌隆先生)と呼ばれる程の、振り飛車の使い手です。

 

その杉本先生が「振り飛車破りの定跡書」を書いたのが、なんと2007年。

振り飛車党の杉本昌隆先生が「振り飛車破りの戦法」として「ポンポン桂」を紹介しており、振り飛車党としても侮れない戦法ということでしょう。

 

「藤井システムの影響で、振り飛車側は端に手をかける事が増えたので有効。」と書いています。

 

『杉本昌隆の振り飛車破り』から局面図と文章を引用します。

   【第5図は▲3六歩まで】

◇対藤井システムに有効
第2図で出てきたように、「ポンポン桂」を使う場合は藤井システム相手が有効である。
第5図は序盤戦。 この▲3六歩なら△6二玉▲3七桂△7一玉(第6図)まではほぼ一本道だ。

 

 

 

 

 

   【第6図は△7一玉まで】

桂捨て作戦は▲3七桂とした時点で相手に警戒される。 万全の体制で▲4五桂を待ち受けられる(第4図など)のが一番まずいのだが、藤井システム相手だと△6二玉~△7一玉と▲3六歩~▲3七桂がほぼ見合いになり、後手も△8二玉まで手が回らない。

 

 

 

 

・著:杉本昌隆 『杉本昌隆の振り飛車破り』2007年発行。
・出版社:毎日コミュニケーションズ。
対四間飛車編 第4章 ポンポン桂作戦 P143より引用。

どうでしょうか?
プロの振り飛車党が有効と言うほどの戦法なのです。

藤井システムでは△4三銀型で待機する事が多いので、ポンポン桂の発動条件である▲3七桂~▲4五桂からの仕掛けを確実に満たせます。
さらに上の第6図を見ての通り、振り飛車は△7一玉型の形なので、この時点で仕掛ければ居飛車の舟囲いでも堅さ負けせず、急戦を仕掛けても十分に戦果が見込めます。

さらに場合によっては藤井システム側が△6四歩△7四歩を突いて、さらに一手遅れている事があれば仕掛けの成功率は高まります。
つまり対藤井システムに対してポンポン桂は仕掛けを狙いやすい戦法なのです。

下記の実戦例をご覧になれば、仕掛けの成立しやすい形や実戦での成功例がさらに理解できると思います。

 

藤井システム対策として有力なので、「居飛車穴熊と見せかけてポンポン桂で急戦!」という作戦もあるかもしれませんね。

 

 


◇「ポンポン桂」 プロの実戦例

本当に稀にですが、プロの将棋でも登場しています。
2002年頃に、何度か「藤井システム対策」として登場していたようです。

1.1991年 王座戦 富沢 対 藤井猛 ←クリックで再生。
プロ棋界ポンポン桂の元祖「富沢キック」の一局。

相手は振り飛車御三家、藤井猛先生。
27手目▲5五角が「富沢キック」と呼ばれる一手。
結果は「富沢キック」の勝利!

2.2002年 順位戦 窪田 対 橋本 ←クリックで再生。
後手番で橋本崇載先生が採用。
△6二銀型からスピード感ある攻め。
残念ながらポンポン桂負け。

3.2002年 銀河線 藤井猛 対 行方 ←クリックで再生。
行方尚史先生が先手番で採用。 相手は藤井猛先生。

開いた6四の地点を咎めて勝利。
実は藤井猛先生、よく「ポンポン桂」戦法に遭遇し、敗北しています。

4.2005年 順位戦 村田 対 室岡 ←クリックで再生。
20手目△7四歩がポンポン桂を誘発。
以下▲3七桂からポンポン桂が炸裂して勝利!

 

プロレベルでも「対藤井システムの有力戦法」として、結果が出ているようです。

「ポンポン桂」は振り飛車党があまり対策しておらず、仕掛けた後の研究がしやすい戦法なので、アマチュアにはオススメの戦法です。
この記事読んだ方が、アマ棋界で流行らせる一端になるかも?

 


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◆「富沢キック」から「対藤井システム ポンポン桂へ」まとめ

今回は「富沢キック」が、対藤井システム対策の「ポンポン桂」として見直されている話でした。
『B級戦法の達人』で紹介された本戦法ですが、プロ棋界で富沢幹雄先生が使っていた急戦策なのです。

そして2002年以降には、対藤井システムに有効と言う事でプロ棋界でも少し見直された時期がありました。

面白い所は「富沢キック」も「ポンポン桂」も、藤井猛先生がキッカケで注目された所ですね。(「富沢キック」は藤井猛先生に炸裂。 「ポンポン桂」は藤井システム対策で注目。)
何かと、藤井猛先生と縁のある戦法なのかもしれません。

初見だとプロでも対応に困る戦法なので、アマチュア相手だと絶大な威力を発揮する事でしょう。

 

 

最後に、今回お話した富沢キック」と「ポンポン桂」の細かな違いをまとめておきます。
実はこの二つの戦法、微妙な違いがあって呼び名が違います。

●今回のまとめ 「富沢キック」と「ポンポン桂」の違い

・富沢キック

△5三歩型△6四歩型▲5五角~▲4五桂(富沢キック図)と仕掛けるのが「富沢キック」

   【富沢キック図は▲4五桂まで】   
  ▲5五角と出てから▲4五桂が富沢キック。  

 

・ポンポン桂

▲5五角と出ず、いきなり▲4五桂と跳ねるのが「ポンポン桂」。(ポンポン桂図)

   【ポンポン桂図は▲4五桂まで】    
  ▲5五角と出ずに▲4五桂ならポンポン桂。  

 


◆最後に 2019年の今『B級戦法の達人』は「A級戦法の達人」に!

これにて 棋書『B級戦法の達人』は「A級戦法の達人」? シリーズは終わりです。
Part4まで読んで頂き、どうもありがとうございました。

 

『B級戦法の達人』に載っていた戦法が、今ではメジャーな『A級戦法』に。

「飯島流引き角戦法」「角交換四間飛車」はA級戦法としてトッププロも採用。
「端美濃囲い」「ポンポン桂」もイレギュラーな隠し技として、プロ棋界で活躍のタイミングを待っているかもしれません。

あるいはそれ以外の戦法が・・・。

 

もしかしたら、この本が「A級戦法の達人」と呼ばれる日が来るのかもしれませんね。

 


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◆『B級戦法の達人』関連記事

◎第一回 ⇒ 棋書『B級戦法の達人』は『A級戦法の達人』? Part1 ~『平美濃返し』から『飯島流引き角戦法』編~

 

◎第二回 ⇒ 棋書『B級戦法の達人』は『A級戦法の達人』? Part2 ~『逆襲!変幻飛車』から『角交換四間飛車』編~

 

◎第三回 ⇒ 棋書『B級戦法の達人』は『A級戦法の達人』? Part3 ~『端美濃囲い』から『串カツ囲い』編~

 

◎最終回 ⇒ 棋書『B級戦法の達人』は『A級戦法の達人』? Part4 最終回! ~杉本昌隆の振り飛車破り『ポンポン桂』 編~

 

 


▽関連商品

*将棋・B級戦法の達人 (マイナビ将棋文庫) * 定価:1,364円
週刊将棋 (編集) 2016年4月27日発売。 『B級戦法』について紹介&解説している本。 今ではメジャー戦法になった「平美濃返し(飯島流引き角戦法)」や「逆襲!変幻飛車(角交換四間飛車)」が最初に解説された本。 他にも「端美濃囲い(串カツ囲い)」はプロでも何度か出現した戦法。 紹介されている戦法はどれも攻めッ気バツグンで、アマチュアの人にはどの戦法も魅力的。 格言書の良著『金言玉言新角言』も文庫化の際に一緒に収録されている。 見開き2Pで1つの格言を紹介している。 注目の格言は「玉の近くを攻めろ」「角は4六から打て」「割り角に好手あり」「たたくより垂らせ」など。 他の格言も是非覚えておきたいものばかりなので、是非手に取って欲しい。

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著:杉本 昌隆 2007年2月1日発売。 藤井聡太先生の師 杉本昌隆先生が書いた”振り飛車破り”の本。 「振り飛車の長所に詳しいのが振り飛車党ならば、自分の弱点(振り飛車破り)を知り尽くしているのもやはり振り飛車党。普段と逆の立場を持って解説した本も面白いのではないかと思い、こうしてこの本が出来上がった。」(まえがきより一部抜粋) 振り飛車党である杉本昌隆先生が、対藤井システム対策として「ポンポン桂」を解説している。 対藤井システムならば四間飛車側は△4三銀型+△7一玉型なので「ポンポン桂は対藤井システムに有効」との事。 他にも「対四間飛車5筋位取り戦法」や「対先手石田流山本流石田封じ」などを解説している。 この本の面白い所は、居飛車の秘策を紹介する「マル秘」ページ&振り飛車視点で対策を考えたページ「振り飛車の視点」がある事だ。 振り飛車破りの本でありながら、振り飛車党の立場になって対策も教えてくれる良著。

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